ストックにみるアサルトライフル
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前回では、「小銃」「自動小銃」「突撃銃」に関する説明をおこないました。
今回はその続きとして、「突撃銃」=「アサルトライフル」に関するいくつかのお話をしたいと思います。


突撃銃は銃器史の中でも特に歴史の浅いカテゴリーであり、意外にもまだ成熟しきっていない部分が
多く存在する兵器だといえます。

兵器という物は、長い時間と歴史によって改良・発展され、完成度を増していきます。
現在では常識となっているアサルトライフルのいくつかの特徴も、以前はそうでなかったりします。


■曲銃床?直銃床?

まず手始めに、アサルトライフルの「ストック」と呼ばれる部位を見てみましょう。
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「小銃少女」では、キャラクターの「足」を、それぞれの「ストック」に相当する部分として描いています。
「ストック」とは、銃の反動を最も受ける部品であり、その形状によっておおよその設計時期や
設計思想を割り出す事が出来ます。
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(上)「U.S. Rifle Cal.30 M14」
(下)「FN SCAR-H」

ここに二丁のアサルトライフルがあります。
両者では、ストックにそれぞれ大きな違いがあるのがお分かり頂けるかと思います。

ここで最も注視して頂きたいのは、銃口→ストック末端にかけての形状です。
上は「曲線」ですが、下は「直線」を描いています。

この形状のストックは、それぞれ

「曲銃床」 (きょくじゅうしょう)

「直銃床」 (ちょくじゅうしょう)


と呼ばれています。

曲銃床は初期のアサルトライフルにしか採用されていないので、曲銃床のスタイルを持つ
アサルトライフルであれば、それは黎明期のものだと判断できます。

ちなみに何故曲銃床のストックが初期のアサルトライフルにしか採用されなかったのかというと、
曲銃床はフルオート(連射)の際に発生する銃のリコイル(反動)を逃がすには不適切な形状だからです。

曲銃床のストックを持つアサルトライフルをフルオートで射撃すると、反動が逃がしにくいため
銃口がどんどん上を向いてしまい、全くねらいをつけられない状態となってしまいます。

つまり、フルオートのコントロールには直銃床のストックが最適なのです。

■ストックの素材

他にもこの二丁のアサルトライフルのストックには大きな違いがあります。
それは素材の違いです。

上のものは木製ですが、下のものは樹脂(プラスチック/ポリマー)で出来ています。
木製は軽くて丈夫、加工がしやすいのですが、湿気を帯びると歪曲してしまうので、
初期~中期のアサルトライフルのストックにしか採用されていません。
そうして次第に樹脂製ストックに取って変わることになります。


それでは最後に、下の「小銃少女」はいつごろ設計されたアサルトライフルかあててみましょう。
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ストックの形状は直線を描いた「直銃床」ですが、ストックの素材は木製なので、およそ初期~中期の世代にあたるアサルトライフルですね。

正確には、我が日本国自衛隊が1964年に正式採用した「六四式小銃」です。
同世代のアサルトライフルと比べても、非常に水準の高い優れたアサルトライフルです。


ちょっと長くなりましたが、今回はこの辺で。
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by clan-aaa | 2009-04-04 09:53 | 「小銃少女」 | Comments(0)
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