傑作・AK-47 ②
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前回ではAK-47の生い立ちについて触れました。
その中で、AKはそれまでの銃器業界に培われてきた優秀なアイディアを上手く取り入れた事が
傑作たる所以の一つだと述べました。

今回は、AK-47最大の特徴である「ルーズ設計」と、
世界一優れた自動小銃とは何なのか、についてお話します。


■スカスカでガタガタ

突然ですが、皆さんは優れた工業製品に対してどのようなイメージをお持ちでしょうか。

例えば、「優秀な時計」の場合、非常に緻密で精細な歯車がいくつも組み合わさり、
そして複雑に連動しながら正確に駆動するようなものこそがその優秀性の引き合いに出されますね。

つまるところ、一般論では「精密さ」こそが工業製品の良し悪しを大きく決めてきました。
車、飛行機、工作機械、電子機器、どの工業製品をとっても
「精密さ」は絶対に欠かすことの出来ない重要な要素です。

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(↑「FN FAL」 AK、M16と並び世界3大ライフルの一つに数えられる)

かつては、銃器業界もその価値観に一辺倒「だった」時代があります。
砂塵にまみれ、燃焼火薬の汚れが常に付きまとう自動小銃は、
「ゴミや汚れが入り込めないように、部品同士のクリアランスを極限まで引き上げる」
事に注力してきました。

上のイラストは、自動小銃黎明期の傑作である「FAL」です。
この銃は、西側諸国の統一アサルトライフルに選ばれるはずだった非常に優秀なアサルトライフルです。
自国軍の主力小銃に正式採用された数では、AKの次にあたるほど一時期世界中を席巻しました。


しかし、FALがAKに勝てなかった最大の理由は、「FALが精密すぎた」からに他なりません。


見ての通り、FALは非常に均整の取れたスリムなスタイルをその特徴としています。
これは、FALの設計が非常に精密で、部品同士の「ゆとり」がほとんどないためです。
その為、FALは砂塵に弱いという軍用小銃としては致命的な欠点を抱えています。

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AKシリーズの生みの親であるカラシニコフ氏は、

「ゴミや汚れが入らないようにするのではなく、入ったとしても確実に作動するよう
部品同士のクリアランスをスカスカガタガタ、つまりルーズに設計する」


事を常に意識してAK-47を設計しました。
今でこそこの考えは軍用小銃設計の常識となっていますが、
「ルーズな設計=悪」であるとの認識が一般的だった当時の銃器業界では、思い切った行動でした。


こうしてAKは、「どんなに汚れようが確実に作動する」
という軍用小銃としては最強の特徴を持つに至ります。

「泥の中から掘り出した直後でも確実に作動した」とか
「木製のストックが腐っても問題なく発砲できた」といったAK伝説のほとんどは、
機関部におけるルーズ設計の賜物であると言えるでしょう。


■知的水準と小銃
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(↑「AKS-74U」 AKシリーズでは最小のモデルにあたる)

「銃を扱う」という行為に対して、皆さんはおそらく難しいイメージを抱いていると思います。
確かに、一般的には非常に難しいものです。
部品の名前を覚えて、それがどのように作動するのかを学び、その銃ごとの特徴や性格を把握して
メンテナンスを怠らないようにするには、大人であっても長い時間と労力が必要になります。

しかし、非常に簡素で頑丈なAKの場合、それが子供であろうと女性であろうと、
ほんの数時間足らずの説明を聞くだけで確実に扱えるようになります。


あまりこういう事は言い方として良くないのでしょうが、AKがこうした特長を持っているのは
ソビエト軍兵士の知的水準が極めて低い、すなわちアホばっかりだったからに他なりません。
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(↑「M16A2」 AKのライバルとされ、西側を代表するアサルトライフル)

当時のソビエト軍は、足し算引き算はおろかまともに文字すら読めないような兵士ばかりでした。
彼らに短い期間で銃の扱いを教えるには、直感的にわかりやすい構造を持った銃を使うほかありません。

M16のように、扱いこなすにはそれ相応の知識と技術が必要になる自動小銃を米軍が採用できたのも、
アメリカ人の知的水準が最低限確保されていたからだと私は思います。

ではどちらかが良いのかと言えば、これは難しい質問です。どちらにも一長一短あります。
私はAKを完全に肯定する気はありませんし、M16を軍用銃として否定する気もありません。


しかし、現実問題ではすでにその決着が付いています。

■世界を左右する自動小銃
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アフリカや中東、旧東側諸国の貧国において、銃は非常に重要な流通物資です。
こうした世界中の第三国において、健全な市場経済が発達しない理由の一つは、
暗躍する武器兵器市場がその妨げとなっているからです。

そして、その市場において最も盛んに取引が行われる兵器が、AKです。
国連の調査によれば、全世界には約1億丁、実際にはそれ以上のAKが出回っているとされています。
銃のみならず、これほどまでに生産された兵器は他に例を見ません。

これほどまでにAKが世界中に存在している理由は、AKが世界中で必要とされ、
AKが無くては成り立たない社会が存在するからです。


物事の勝敗は、必ずしも数字だけでは語ることが出来ません。
しかし、その結果を見れば、「世界一優れた自動小銃」は一体何であるのか、
その答えは出ていると思います。
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by clan-aaa | 2009-05-09 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(1)
Commented by THEOBOLD at 2013-11-30 23:35 x
AKS-74Uは5.45x39㎜弾です。
マガジンは、絵ほどカーブはなく、また、若干中に膨らみがあります。
それと、最少モデルはポーランド製のKbk wz. 1996 ミニベリルかと思います。
1997年から配備され、5.56x45㎜弾のロングストロークです。
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