傑作 -HK G3-
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FN FAL六四式小銃のような、いわゆる30口径以上の弾薬を使用する第一世代自動小銃は
総じて評価が低く、同世代ではAK-47の一人勝ち状態でした。


しかし、そうした華々しい活躍こそ収めてはいないものの、
「第一世代裏の覇者」「西側で唯一成功した自動小銃」と評された
ドイツの自動小銃が存在します。

今回は、自動小銃の異彩「HK G3」のお話です。


■ドイツの復権
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(↑ 「G-06(H)」 G3の祖父にあたるモデル)

「アサルトライフル」という言葉の元となったStg44を生み出した小銃王国ドイツは、
第2次世界大戦中、Stg44をさらに進化・発展させた自動小銃「G-06(H)」を開発します。
対戦中の混乱期にG3の祖先となったモデルを開発した先見性は目を見張る物があったのですが、
残念ながらその評価が固まる前に戦争が終わってしまいました。
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(↑ 「セトメA1」 G-06をスペインで発展・改良させたG3の父にあたるモデル)

戦後、職を失ったドイツの銃器設計者達は、世界中の銃器メーカーへその腕を買われます。
未だ日の目を見ぬG-06(H)の設計者たちは、スペインの銃器製造機関に雇われ、
G-06(H)をさらに発展・改良させた「セトメ・ライフル」を完成させます。
これが、G3の原型となったアサルトライフルにあたります。


ここまでして、彼らドイツの銃器設計者たちがG-06(H)を完成させようとしていた理由は
その内部機構に絶対的な自信を持っていたからです。
従来の自動小銃、機関銃、そしてAK-47やFALのようなアサルトライフルのほとんどは
火薬の燃焼ガスの爆発的圧力を外的利用して機関部を動かしていました。


しかし、G-06(H)やセトメに搭載されている「ローラー・ロッキング構造」は
発射時に薬莢が銃口とは反対方向へ吹き戻される力「反動」を利用して
機関部を動かすものでした。
これは、特に命中精度に関して大変有利になる利点があります。
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(↑ G3A3 フルサイズの基本モデル)

その後、セトメ・ライフルの性能を聞きつけた本国ドイツの軍部は、
新型ライフルとして自国採用すべく、国内の銃器メーカー「H&K社(ヘッケラー&コッホ)」に
セトメの更なる発展・改良を命じます。
こうして完成した新型アサルトライフルは、戦後ドイツの新制式小銃「G3」として採用されます。


■ローラーロッキングの光と影
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G3の利点は、先に申し上げた「ローラーロッキング構造」に
その全てがあると言っても過言ではありません。
ローラー・ロッキングはその構造上、銃身にかかるストレスが非常に少なく、
軍用ライフルではトップクラスの命中精度を誇る事でも有名です。
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これは30口径クラスの大型ライフル弾と同機構の相性が良かった為で、
同弾薬を使用するアサルトライフルの中で、G3と並び高精度かつ
実用的なフルオート可能なモデルはそう見当たりません。


しかし、長所であるローラーロッキング構造は、その構造が複雑な為に
汚れに弱く、また製造コストがかかるといったG3の短所の原因ともなっています。
故に、同構造が世界中のアサルトライフル設計の流れを変える事はありませんでした。


そういった意味では、世界中のアサルトライフルの構造が軒並み同じような物が多いのに対し、
G3は我が道を行く、非常にマイペースな存在だったと言えるでしょう。
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by clan-aaa | 2009-06-02 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(2)
Commented by 名無し at 2010-10-22 21:15 x
30口径クラスの大型ライフル弾との相性が良いとか、実用的なフルオートの性能があるとか…

実際にG3ライフルを撃ったことありますか?

セミオートで撃っただけでもじゅうぶんわかりますよ、こんなのを連射、速射するなんてありえないって。

減装薬を使っていたらしいセトメライフルならまだしも、常装弾薬を使用するG3のフルオートが実用的だなんて聞いた事がありません。

どんなサイボーグやらターミネーターにお聞きなさったのでしょうか?
Commented by nameless at 2011-07-16 13:45 x
素人が射撃場で撃つのと

訓練した軍人が戦場で撃つのは違うと思いますが…
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