ライフルのひみつ ―落ち込み式ボルト―
前回の続きです。
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約2週間かけて取り上げてきた「銃のしくみ」も、今日でひと段落です。
これまでの内容をおさえる事か出来れば、大抵の銃器構造は理解出来るようになります。

というわけで、今回はロータリーボルトロック、ローラーロッキングと並び、
主要閉鎖機構の一つに数えられる「落ち込み式(落とし込み式)ボルト」のお話です。


■「落ち込み式」
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「落ち込み式ボルト閉鎖機構」は、英語ではティルトボルトロッキングと呼ばれ、
主にヨーロッパの銃器に広く採用されている伝統的な閉鎖機構です。
有名な自動小銃ではハーネルStg44、FN FALや日本の六四式小銃が採用しています。
三者は共に落ち込み式ボルトなのですが、その形態や部品構成がビミョーに違うので、
今回はその中でも特にわかりやすい構造を持つハーネルStg44を例にご説明します。
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落ち込み式ボルト閉鎖機構の概要図です。
明るい緑は前回ご説明したボルトキャリアー(ボルト本体を動かす部品)、
暗い緑がボルト本体です。

撃発直前の閉鎖状態では、このようにボルトが弾薬を後ろから抑えています。
この時注目してもらいたいのは、この
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赤丸で囲った部分の位置関係です。
ボルト(暗い緑)は、一段高くなった銃本体によってその後退を妨げられており、
この状態ではボルト単体では前後に一切動けない状態、すなわち閉鎖状態となっています。
このように、一段下がった銃本体へとボルトが落ち込んでいる様態からその名がついています。

そして、この閉鎖を解き放つのは、例の如くボルトキャリアー(明るい緑)です。
ロータリーボルトと同様、ボルトキャリアーが後退する事によって閉鎖解除が開始します。
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順を追って説明します。

①弾薬撃発後、弾頭がガスポートを通過後にガスチューブへと燃焼ガスが流入、
その圧力によってボルトキャリアーから伸びた腕が強く押されます。
この時、後退を始めたボルトキャリアーから突き出した突起と、ボルトから突き出した突起が接触する
(赤丸で囲んだ箇所)点に注目してください。
この2つの突起が接触したまま、ボルトキャリアーはさらに後退します。

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②両突起の傾斜によって、ボルトはボルトキャリアー側へと引き込まれます。
この引き込みによって、銃本体との噛み合いが外れ、ボルトは後退出来るようになります。

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③ボルトキャリアーとボルトは一体となって後退し、薬莢を引き抜きます。
以上で閉鎖→開放の手順は完了です。


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世界中に存在する自動小銃の大半は、
この落ち込み式ボルトかロータリーボルトのどちらかに二分出来ます。
どちらの閉鎖機構が良いとか悪いとかはあまり関係なく、両者ともに一長一短があります。
ただ、現在新規で設計されるほとんどの自動小銃がロータリーボルト閉鎖機構を採用しています。
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というわけで、これにて落ち込み式ボルトの説明はおしまいです。
ここまでの段階で、銃の構造に関する大まかな説明が完了しました。


私の説明がどこまで通用できたかが、一番の気がかりです。。。
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by clan-aaa | 2009-06-16 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(0)
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