暑さ対策
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ペルソナ・ノン・グラータは外交用語で「「歓迎したくない人物」を指す言葉です。
「お前、ペルソナ・ノン・グラータなんだけど」とサラリと使いこなせるようになるとカッコいい事この上ないです。
今日からみなさんも人間関係に支障が出ない程度に使ってみて下さい。


さて、今回はおせんべいのお話ではなく、「銃の暑さ対策」のお話です。
クーラーをガンガンかけながらご覧下さい。


■熱との戦い
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激しく燃焼する火薬の力を利用する弾薬を使用する以上、銃は熱と密接な関係にあります。
連続して弾を発射する自動小銃はもちろんの事、常にフルオートが使用前提となるマシンガンにとっては
熱問題をいかに解決するかが銃器設計者の焦点となってきました。

最も原初的で手っ取り早い解決方法の一つが、
「水で冷やす」、すなわち水冷式でした。
水冷式は冷却効果こそ高いものの、冷却水の確保に手間がかかり、
また蒸発する水蒸気によって位置がばれてしまう為、次第に空冷式へ取って代わることになります。

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(↑ 「九九式軽機関銃」)

初期の空冷式において多用された方法が、バレル表面積の増加です。
これはバレルにフルントと呼ばれるひだをいくつも設け、より多くの空気と触れる面積を増やす事で
素早く冷却させるねらいがありましたが、加工に手間がかかるため、次第に廃れていきました。
車のエンジンなどでは現用されている技術ですね。


そして次に考案された方法が、上記の手段を併用した対流伝熱による空冷却方式です。

現代におけるマシンガン、アサルトライフルのハンドガードには、
必ずと言っていいほど穴が開いています。
これが対流伝熱による空冷却方式です。

以前もお話したように、私は根っからの文系人間なので、伝熱といった熱工学の分野は
まったくさっぱりなのですが、要するに暖かい空気の層と冷たい空気の層が触れ合う際に
発生する対流を利用して、熱を逃がす方法です。
ですので、その空気の層を作り出す為、わざと熱くなったバレル外周を覆うような形状の
ハンドガードを設けるのです。
そっちの方がよく冷えるという原理だそうですが、なんともピンときません。
文系だからでしょうね。


■銃の大敵、熱
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では具体的に、何故銃にとって熱は厄介な存在なのでしょうか。

一つは、熱によって射手が火傷を負う危険があるからです。
そしてもう一つは、暴発の危険性があるからです。

連続射撃によって熱くなったバレルに弾薬を装填すると、
その熱によって弾薬内の火薬が自然発火する現象「コック・オフ現象」が起こります。
この手の暴発はマシンガン等でたまーに起きる事があり、予防する為にはバレルを
頻繁に交換するほかありません。


また、熱くなったバレルによって、小さな規模の蜃気楼が発生する事がまれにあります。
これは特にシビアな照準が要求されるスナイパーライフル等では命取りとなりますが、
上の写真のような「ミラージュバンド」を取り付けることで防ぐ事が出来ます。


よく頭を冷やした方が物事は往々にして快方へと向かいますが、
小銃にも同じ事が言えるようです。
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by clan-aaa | 2009-06-27 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(1)
Commented by Hior at 2009-12-31 16:30 x
 バレル外周を覆うところでひらめきました。既知でしたらごめんなさい(^人^;
放熱の環境を整えてあげるという意味で、
追い炊きできる風呂釜の雰囲気ですね。

 熱せられたものは、同じ密度で(重量がそのまま)体積が増える(膨張する)ので、同じ体積で比べると軽くなり、自然に上っていきます。
空冷では周囲の空気が、上っていった空気が居た空間を埋めます。
以前、汽車のトンネル火災で無茶苦茶に燃える事故が多発したそうです。
煙突効果かトンネル効果と言ったと思うのですが、流露を整える事で対流を高速にできる効果が悪影響を及ぼしたとの事でした。

 鉄よりもアルミ。熱されやすく冷まされやすいという
比熱(だったかな)の特性が冷却に向いてるそうです。
鉄に直接触れるアルミは瞬時に熱せられ(熱を半分こして)
アルミ周囲の空気は、わんこそばのように熱を食らっては昇っていく。
あの覆いは、わんこそば行列が素早く食事して回転できるためのガイド「長い立ち食いテーブル」みたいな雰囲気だと思います^^)b

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