「―14番目の少女」 第2話解説
1日朝から昼にかけて大規模なサーバー障害が発生し、
ブログが閲覧できなくなっていたようです。
同時間帯にお越し頂いた方にはお詫び申し上げます。

第3話の制作も予想以上にずれこんでしまい、自分の管理能力の低さに驚くほどです。
夏休みの宿題もこんな感じだったような気がします。
ちなみに第3話の掲載は今週中に出来たらいいな♪
と玉虫色の期限を設けてさせて頂きます。もうしばらくお待ちを。。。


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さて、早速ですが第2話の解説に移りたいと思います。

戦後、各国はドイツの自動小銃「Stg44」に倣った新型小銃の開発と採用に追われる事となります。
これは、同銃が与えた影響による小銃設計の世界的な変革に起因します。

当時、西側最大の軍事国家であったアメリカは、新型自動小銃AK-47を既に採用していたソビエトに
遅れをとらぬよう、独自に新型自動小銃の開発を進めていました。
この開発過程で、大戦期の主力小銃であるM1ガーランドと呼ばれる大型の自動小銃を
フルオートに改造したT-20とよばれる試作ライフルが完成します。

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T-20は、米国の伝統的な兵器廠であるスプリングフィールドアーモリーで設計された
フルオートマチック・セレクティブファイアの大型ライフルで、
使用弾薬こそ30-06のネックダウンケースである.308winでしたが、その特徴は
アサルトライフルとは程遠いものでした。

先の大戦で連合国を勝利に導いたアメリカは、本質的にアサルトライフルの脅威を味わう事も
省みる事も無く、加えてM1ガーランドの余韻に浸っていた事が
後の過ちへとつながっていくことになります。

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そんな中、Stg44の先見性を認識し、来るアサルトライフルの時代を見越していた
欧州各国は、ベルギーでその開発が円熟していたアサルトライフル「FAL」を
西側の統合サービスライフルとする意向を固めます。

FALは、Stg44の長所を上手く取り入れ、280ブリティッシュとよばれる中口径弾薬を使用し、
実用的なフルオート射撃を念頭に入れた正統派アサルトライフルでした。


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しかし、これをよく思わなかったのが当時の西側最大の発言力を持つアメリカでした。
FALが中口径弾薬を使用する点にアメリカが難色を示した事で、
次期主力小銃の使用弾薬を巡って西側各国で激しい対立が起こります。

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その後、アメリカが「.308win弾を使用するFALを採用する」という譲歩案に合意した事で
事態は終息するかに見えました。
この合意は米英両国の首脳によって行われた正式なものであり、
当時のマスコミもこれを取り上げています。


が、アメリカは突如これを一方的に破棄します。
この裏で暗躍していた人物こそ、当時の米軍統合参謀本部長であった、リッジウェイ将軍です。
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リッジウェイ将軍は、第1次・第2次大戦に従軍してきた生粋のアメリカ軍人で、
NATO議長に選任された際には重要ポストにアメリカ人ばかりを据える等、
周辺諸国との協調性に欠けていた保守派の軍人でした。

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そんな彼が、FALなどという外国製の得体も知れぬライフルの採用を許すはずも無く、
その評価を貶める工作を部下の陸軍参謀カーテン少佐と共に共謀します。

具体的にはどのような工作がおこなわれていたのか。
これは実態が未だに不透明な為に明らかにはなっていませんが、
試験においてT-44が有利になるような贔屓を繰り返していた事は確かなようです。

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この、突如として行われた再度のトライアルでは、最終的にT-20改めT-44と、
FAL改めT-48が勝ち残るのですが、その内容は公平性に欠き、カーテン少佐の指示の下
T-44が優位に立つように仕組まれることになります。


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こうした出来レースの結果、不可解なT-44のトライアル勝利によってT-48の西側全面採用は白紙撤回、
一方のT-44はこの後M14として米軍制式主力小銃としてその座に就く事になります。


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理不尽なトライアルによって憂い目に遭ったFALですが、悲運はこれまでに留まりません。
FALの長く険しい運命は、これが始まりに過ぎなかったのです。


というわけで、第3話に続きます。
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by clan-aaa | 2009-09-01 18:00 | 「小銃少女」 | Comments(0)
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