機関銃の体系
前々回の続きです
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ロシア製のマキシムだけ馬鹿デカい注水口がついています。
何故でしょう。答えは次回に持ち越したいと思います^^


さて、これまで取り上げてきたアサルトライフルは、それ自身について区分するカテゴリは特別存在せず、
総じて「アサルトライフル」という枠内一辺倒でくくる事が出来ましたが、
機関銃は数ある小火器の中でも、その体系が最も複雑な部類に入る特殊なカテゴリです。

というわけで、今回は「機関銃の体系」について取り上げます。


■MGの体系

まず、機関銃(マシンガン)は大きく2つのカテゴリに分かれます。

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■ヘビー・マシンガン=重機関銃 (HMG)
代表例―マキシム機関銃、M2ブローニング、

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■ライト・マシンガン=軽機関銃 (LMG)
代表例―MG3、PKM、MINIMI、62式機関銃


大まかなイメージとしては「三脚を使うのがHMG、二脚を使うのがLMG」
だと思っていただいて結構です。
というのも、HMGなのか、LMGなのかの区別は、銃器メーカーの主張に過ぎないケースが多いので、
細かい特徴で区分すると話がややこしくなってしまうのです。
以下に続くカテゴリ分けについても、基本的には「メーカーの主張する区分」によって
分類される場合がほとんどです。


さて、HMGとLMGに大別した機関銃ですが、LMGはここからさらに、

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■汎用機関銃 (GPMG = General Purpose Machine Gun)
代表例―MG3、PKM、62式機関銃

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■分隊支援機関銃 (LSW/SAW = Light Support Weapon
/ Squad Automatic Weapon)

代表例―MINIMI

の2種類に分かれます。

これらもまた、基本的にはメーカーの指定する部類に従う事になるのですが、
GPMGは「中隊、もしくは小隊単位で運用される機関銃」
分隊支援機関銃は「分隊単位で運用される機関銃」
というように、本体的特長ではなく、軍隊での運用目的に従って部類される場合が多いです。


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では、MINIMIを仮に小隊単位で配備・運用すれば、MINIMIは途端にGPMGになるのかというと、
そうではありません。
先にも述べたように、あくまでもカテゴリ区分はメーカーの都合です。
MINIMIにGPMG的な運用が可能であり、その他GPMGと何ら遜色ない特徴を持っていたとしても、
メーカーはSAWとして設計・製造しているため、GPMGとはいえないのです。


というわけで、機関銃の体系について

・HMG
・LMG
・GPMG
・SAW


という括りで大まかにご説明いたしました。

次回は、マキシム機関銃について取り上げたいと思います。
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by clan-aaa | 2009-10-28 02:00 | 「小銃少女」 | Comments(8)
Commented by たかさん at 2009-10-28 17:00 x
水冷機関銃に汚水ww
個人的にはマキシムといえば「スターリングラード」だったかな?映画で
督戦隊が使用していたのが印象に残っていますね
Commented by M3短機関銃 グリースガン at 2009-10-28 18:08 x
重か軽はメーカの都合だったのですか。口径等などの特徴は関係なかったのですか…


余談でありますが、来月の1日に小松基地で航空祭があるそうです。
Commented by シシジ at 2009-10-28 18:34 x
でかい注水口があるのは水の代わりに雪でも入れるからですかねぇ?
まさか汚水を入れるわけではないしw
Commented by max123 at 2009-10-28 19:59 x
 お返事ありがとうございました。IRAKAさんは、やはり、よく本を読んでらっしゃいますね。実は、この前のお誕生日の祝電に、ご就職のお祝いをかねて、有島武郎の「小さき者へ」の文末を引用しようと思ったのですが、もう読んでらっしゃるでしょうか。
 水冷式の機関銃での質問なのですが、ラジエターで、復水は行わないのでしょうか。機構が複雑になるので、水を補給しながら使用する物なのでしょうか。
 
 
Commented by clan-aaa at 2009-10-28 21:34
>たかさん

あの冒頭シーンは戦争映画史に残る名ギャグシーンでしたね^^
おっしゃるとおり、あれはロシアンマキシムだったように思います。
スコロブ銃架で転がしてくるのがまたいいんですよね。。。


>グリースガンさん

30口径クラスでも重機関銃、というのもありますので
口径での区分はややこしくなるかもしれませんね。
しかし現代においては、大まかなイメージとしてその区分は
問題ないかと思います。


>シシジさん

うーん、素晴らしい洞察力です^^
ちなみにきちゃない話ですが、尿を冷却水かわりに使用した例は
実際に存在します。そりゃあもう芳しい香りだったことでしょうね^^


>max123さん

「小さき者へ」初耳でした。是非読んで見たいと思います。

復水についてですが、大変鋭い突っ込みです。。。
おっしゃるとおり、水冷機銃には「復水缶」なるものがチューブによって
ラジエーターとつながれている場合が多いです。
ですので蒸気がそれほど漏れる事は無い構造になっています。
自分で描いておきながらなんですが、雑巾の香りがそれほど
漂ってくるのかと言えば、ちょっと疑問ですね。。。
Commented by くろと at 2009-10-30 18:01 x
HMGとLMGの違いは設置機銃かどうかってイメージでした
なんせMG42やPKMも3脚に乗せて使えますしw

ちなみに、現在に水冷式のMGが無いということは、実用的ではなかったということでしょうか?
Commented by clan-aaa at 2009-10-30 21:39
>くろとさん

車載マウント等を含めますと、
ほぼ全てのMGが据付可能となるのですが、
ここで問題なのは三脚専用に設計されたモデルでも、
後の改良で二脚使用になったものが存在する点です。
ですので脚で分類するという表現が誤解を招かないか
ちょっと心配ですね。

お気づきの通り水冷式は実用性の面で難がありました。
常に水の確保が達成出来る戦場が、そうそう無いのも一因ですね。
これは次回以降取り上げていく予定ですので、是非ご覧下さい。
Commented by ダレン シャン at 2016-02-28 12:49 x
水冷機関銃のラジエーターとはどういうものなんでしょうか?いくら調べても出てきませんでした。復水缶だけではだめなんですか?
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