今年最後のサービスカットでございます。 今年というより新年のご挨拶、と言った方が良いのでしょうか。 ともかく今年は皆さんに大変お世話になった一年でした。 で、年の瀬にも関わらず、よくよく考えるとまだマシンガンの機構面については 全然取り上げていなかったので、今回は「マシンガンの給弾機構」について簡単にお話したいと思います。 今年最後の小銃少女に、どうかお付き合い下さい。 ■ベルト・フィード・システム 一般的なボックスマガジン給弾の銃器では、マガジン内のスプリングが弾を押し上げて給弾するのですが、 アモベルトを使用するマシンガンの場合、弾を本体へ押し上げてくれる動力が無いので、 本体自ら弾を引き入れる必要があります。 その構造は、面白いことに一部例外を除きほぼ全てのマシンガンで共通しています。 ベルト・フィード・システムと呼ばれるこの給弾機構は、マシンガンの「ふた」であるフィードカバー裏に 全てが集約されているのです。 ではその構造はどうなっているのか。 今回は構造を非常に簡潔に表した図を用いて説明したいと思います。 上の図は、マシンガン本体を上から透視したものです。 赤はボルト、濃い赤丸はボルト上面にある突起、 緑は給弾機構の要である「フィードカム」「フィードカムレバー」を便宜上一つに見立てたものです。 フィードカバー裏に取り付けられているこの緑のアームが今回の主役です。 この状態は、初弾を撃発後ボルトが後退し、次弾の用意が出来ていない状態です。 このままではボルトが前進しても弾が無いので、ボルト先輩は怒ってしまいます。 アモベルト達はすみやかに右へ一発分移動する必要があります。 そうこうしている内にボルトは前進を開始します。 緑のフィードカムはボルトの前進と共に、ボルト上面に突き出した突起(濃い赤丸)に沿って 右へとワイパーのように動きます。 この時、フィードカム先端に付いた「ツメ」はアモベルトに引っかかっており、 カムが右へ動くと同時にアモベルトを右へ一発分移動させます。 アモベルトが移動を完了すると同時に、ボルトは次弾を抜き取り、チャンバーへと押し込みます。 撃発後、ボルトは後退し、フィードカムも同時に左へと戻されますが、 この時ツメは引っ込むようになっているので、アモベルトが左へ戻されるような事はありません。 こうして、1枚目の状態に戻り、以降は同じ動作の繰り返しとなります。 いかがだったでしょうか。 かなり端折った説明となりましたが、大まかな流れはこの通りです。 それでは、2010年が皆さんにとってよい一年になることを祈っております。 良いお年を。
by clan-aaa
| 2009-12-31 22:00
| 「小銃少女」
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Comments(12)
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ロンリー
at 2010-01-01 00:32
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明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます。
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通りすがり
at 2010-01-01 03:24
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たかさん
at 2010-01-01 11:21
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明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願い申し上げます
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デュオ
at 2010-01-01 21:02
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そういえば自分の所持している無稼働のRPDもそんな形をしてます。共通してたんですね。
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シシジ
at 2010-01-02 06:18
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clan-aaa at 2010-01-02 08:41
>ロンリーさん
明けましておめでとうございます。 今年も小銃少女をよろしくお願いします。 >通りすがりさん 長い間応援して頂きありがとうございます。感無量です。。。 今年もよろしくお願いします。 >たかさん 明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします! >デュオさん 初めまして。コメントありがとうございます。 無可動RPDをお持ちとは羨ましい限りです。。。 仰る通りRPDの給弾機構もこれとほぼ同様になります。 >シシジさん 明けましておめでとうございます。 目の保養になれば幸いでございます。。。 今年もよろしくお願いします。
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らば
at 2010-01-02 08:42
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あけましておめでとうございます。いつも楽しく拝見させていただいています。
ベルト給弾にこんな行程があったとは。 PKなどに使われるリムド弾はこのあと「ベルトから弾丸を引き抜く」行程があると思うのですが、やっぱりボルトと連動した「引き抜き用のツメ」みたいな奴があるんでしょうか?
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clan-aaa at 2010-01-03 15:35
>らばさん
明けましておめでとうございます。 いつも応援して頂きありがとうございます。 鋭いご指摘だと思います。 お察しの通りPKMはリムドケースを使用するため、弾薬を一度ベルトから抜き取る必要があります。 その為に、ボルト上面にはカートリッジグリッパー(下写真のフックのような部品)と呼ばれるツメがあり、この部品がボルト後退と共にベルトから弾薬を抜き取ります。 ですので、リムレスケースを使用するマシンガンとは違い、 PKMはアモベルトを装填した後に必ずチャージングハンドルを一度引く必要があります。 粗雑な説明でしたが少しでも参考になれば幸いです。 http://www.exblog.jp/blog_logo.asp?slt=1&imgsrc=200911/26/08/f0066308_9292996.jpg
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tieren
at 2010-01-09 00:58
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少々遅れましたが、明けましておめでとうございます!本年もよろしくお願い申し上げます!
このタイプのフィードメカの図解というと、97年のGun誌にてターク氏がM60をレポートしたときのものを思い出します。 それまでは良く分からなかったのですが、その図解で一発で分かりました、この図解も分かりやすいですね(と言っても既に理解している人間の視点からですが)。 それにしても実にシンプルなメカですよね、ブローニング系のメカも同じ原理ですが、機構的にこちらの方が汎用性が高いように思います。 リムドアモor布ベルト式給弾MGの2度引きコッキングですが、これはフィードカバーを開けずにチャージングする場合のみなのでしょうか? Youtubeにある動画でも、PKMや1919についてはそういったものが確認出来ますし、構造的にそうではないかと思っているのですが。 この辺はM2のものが各所で話題になっているのを見るので気になるところです。
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clan-aaa at 2010-01-10 02:47
遅ればせながら明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。 二度引きについてですが、これはボルトが後退位置にある場合必要になると思います。 マニュアルにおいても原則としてカートリッジグリッパーに初弾のリムを 引っ掛けるように、すなわちボルトを前進させた場合で装填するようにと ありますが、一応ベルトにはスタータータブが付いているので、 そうした手順を踏むことになるのだろうと思います。
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tieren
at 2010-01-10 03:44
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なるほど、となるとオープンボルトファイアリングのPKMでは空撃ちなりでボルトを前進させてから、ということになりますかね?
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clan-aaa at 2010-01-10 08:02
原則としてそうなると思います。
ボルトが前進位置に無い限りカートリッジグリッパーが初弾を引き抜く事が出来ないので、 何らかの形でベルトとボルトは合流する形をとらねばならないと思います。 この点は勉強不足でした。。。 改めて調べてみたいと思います。。。
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