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サイレンサーのお話
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よくよく考えると、血を吸う蚊はみな雌なんですね。

「女性に血を吸われている」と考えると、ちょっとぐらいあげてもいいかなという
解釈もやむ無しという気がします。冗談です。


さて今回は、蚊の話ではなく「サイレンサー」の話です。
ご静聴をお願いします。


■サイレンサー?サプレッサー?

映画や漫画によく出てくる銃のアクセサリーの中で、特に勘違いが多いのが
サイレンサーです。

まず一番の誤解は、サイレンサーで銃声を消す事は出来ません。

映画などで、サイレンサーをつけた途端に
「プシッ、プシッ」とほぼ無音になるシーンをよく見かけます。
しかし、大半のサイレンサーは、銃声を「抑圧する」だけであって、
「消音する」事は出来ません。

ですので、厳密に言えば「サイレンサー」ではなく「サプレッサー」という表現が正しいのですが、
特に日本では前呼称が定着してしまったので、当記事においても
「サイレンサー」の表記で統一します。


大型のライフル弾を使用するアサルトライフルに限って言えば、
サイレンサーはまさに銃声を「抑圧する」だけの存在に他なりません。
ですので、アサルトライフルでサイレンサーを使用する場合は、
例えば突入時に銃声で人質の鼓膜を刺激しないよう配慮する状況や
夜間において銃口から発生するマズルブラストが目立たないようにする状況が考えられます。


ではなぜ、大半のサイレンサーは銃声を抑圧する事しか出来ないのでしょうか。


■銃声の正体

そもそも、「銃声」の正体を掘り下げると、

①銃口から出る燃焼ガスの爆発音
②弾頭飛翔時に発生する強力なエネルギー衝撃波
③銃本体の作動音


これらの要素が複雑に絡み合って、銃声は発生します。
少なくとも、この3点を解決しないと、銃声を消す事は出来ないのですが
サイレンサーだけでは①しか解決できません。
何故なら、②は飛翔中の弾頭の問題、そして③は銃本体に起因する問題だからです。


②は、弾頭の飛翔速度が音速を超えた際に発生する
「ソニックブーム」の事です。
大半の小銃・拳銃弾の弾速は音速を超えているので、
サイレンサーをつけてもあまり意味が無い、というわけです。


ということは、弾速を音速以下に抑えれば②は簡単に解決することが出来るんじゃね?
という発想の元、開発されたのが「サブソニック(亜音速)弾」です。
これは、わざと威力を落として弾速を音速以下(360m毎秒以下)に抑えた弾薬です。
これを使えば、②の問題を解決する事が出来ます。


③は、ライフルだとボルト、拳銃だとスライドの閉鎖・開放音が主な原因です。
金属同士がぶつかる以上、音は必ず発生するので、この問題は
「一発づつ手動で撃つ」事で解決する事が出来ます。

しかしながら、大半の銃はこれら全てを解決する手立てが無いので、
ただ単にサイレンサーを付けただけでは銃声を抑える程度の効果しか見込めません。


ところが、これら3点をほぼ全て解決した数少ない銃が存在します。
それが、米軍の開発した特殊作戦用消音ピストルです。


■「消音」拳銃

アメリカ軍によって開発された消音ピストルは、スライドロックと呼ばれる部品によって
手動単発式にされたベレッタM92FSに、特殊なディスクを挿入したサイレンサーを装着する
特殊消音ピストルです。
サブソニック弾を使用する事が前提だと思われますが、
サイレンサー内部の特殊ディスクによって通常弾薬でも十分な消音効果が
期待できるといわれています。
未だに存在自体が秘密とされているので詳細は明らかにされていませんが、
無音とまではいかないものの、非常に小さな射撃音で発砲することが可能だといわれています。
ですので、この銃に限っては「サイレンサー」という表記が適切な数少ない存在だと言えます。


なんだか男の子のロマンを詰め込んだようなピストルですが、
アメリカ軍というのはスパイ映画顔負けなおもちゃを結構本気で作っていたりします。

ご静聴ありがとうございました。
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by clan-aaa | 2009-06-30 10:00 | 「小銃少女」 | Comments(0)
暑さ対策
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ペルソナ・ノン・グラータは外交用語で「「歓迎したくない人物」を指す言葉です。
「お前、ペルソナ・ノン・グラータなんだけど」とサラリと使いこなせるようになるとカッコいい事この上ないです。
今日からみなさんも人間関係に支障が出ない程度に使ってみて下さい。


さて、今回はおせんべいのお話ではなく、「銃の暑さ対策」のお話です。
クーラーをガンガンかけながらご覧下さい。


■熱との戦い
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激しく燃焼する火薬の力を利用する弾薬を使用する以上、銃は熱と密接な関係にあります。
連続して弾を発射する自動小銃はもちろんの事、常にフルオートが使用前提となるマシンガンにとっては
熱問題をいかに解決するかが銃器設計者の焦点となってきました。

最も原初的で手っ取り早い解決方法の一つが、
「水で冷やす」、すなわち水冷式でした。
水冷式は冷却効果こそ高いものの、冷却水の確保に手間がかかり、
また蒸発する水蒸気によって位置がばれてしまう為、次第に空冷式へ取って代わることになります。

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(↑ 「九九式軽機関銃」)

初期の空冷式において多用された方法が、バレル表面積の増加です。
これはバレルにフルントと呼ばれるひだをいくつも設け、より多くの空気と触れる面積を増やす事で
素早く冷却させるねらいがありましたが、加工に手間がかかるため、次第に廃れていきました。
車のエンジンなどでは現用されている技術ですね。


そして次に考案された方法が、上記の手段を併用した対流伝熱による空冷却方式です。

現代におけるマシンガン、アサルトライフルのハンドガードには、
必ずと言っていいほど穴が開いています。
これが対流伝熱による空冷却方式です。

以前もお話したように、私は根っからの文系人間なので、伝熱といった熱工学の分野は
まったくさっぱりなのですが、要するに暖かい空気の層と冷たい空気の層が触れ合う際に
発生する対流を利用して、熱を逃がす方法です。
ですので、その空気の層を作り出す為、わざと熱くなったバレル外周を覆うような形状の
ハンドガードを設けるのです。
そっちの方がよく冷えるという原理だそうですが、なんともピンときません。
文系だからでしょうね。


■銃の大敵、熱
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では具体的に、何故銃にとって熱は厄介な存在なのでしょうか。

一つは、熱によって射手が火傷を負う危険があるからです。
そしてもう一つは、暴発の危険性があるからです。

連続射撃によって熱くなったバレルに弾薬を装填すると、
その熱によって弾薬内の火薬が自然発火する現象「コック・オフ現象」が起こります。
この手の暴発はマシンガン等でたまーに起きる事があり、予防する為にはバレルを
頻繁に交換するほかありません。


また、熱くなったバレルによって、小さな規模の蜃気楼が発生する事がまれにあります。
これは特にシビアな照準が要求されるスナイパーライフル等では命取りとなりますが、
上の写真のような「ミラージュバンド」を取り付けることで防ぐ事が出来ます。


よく頭を冷やした方が物事は往々にして快方へと向かいますが、
小銃にも同じ事が言えるようです。
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by clan-aaa | 2009-06-27 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(1)
悲運の小銃 ―M14―
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「アサルトライフル」という言葉が生まれた頃
"United States Rifle"という、銃器界では世界で最も誉れ高い称号を手にしながらも
その本質を理解されず、歴史に翻弄された自動小銃がアメリカで生まれました。


今回は、アメリカ初のアサルトライフル
「U.S. Rifle Caliber 7.62mm M14」のお話です。

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by clan-aaa | 2009-06-23 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(2)
HK416と自衛隊
「自動小銃固定用金具の製作以下3件」の契約希望者募集要項 (PDFファイル)
海上自衛隊横監公示第75号

5ページ目の調達予定品目をご覧下さい。

以前より海上自衛隊がHK416を試験採用しているという噂が立っていましたが、
どうやら本当だったようです。

固定用金具というのは、おそらく委託射撃の際に銃を固定する為の補助具であろうと推測されます。
精度試験や膣圧試験を行うという事は、かなり前向きに採用を検討している、
もしくは本採用間近である事は間違いないでしょう。


HK416は、米軍が採用している事で有名なM16をドイツのHK社が独自改良を加え開発した
「HK社版M16」です。

あれほど独自路線だったHK社が何故このようなコピーを開発したのかというと、
一つは世界最大のミリタリーマーケットである米国・米軍への販路拡大、
並びに同国が現採用小銃とするM16ファミリーとの並行採用をねらっている事
そして同国の退役軍人らが所属し、近年凄まじい勢いで拡大する民間軍事会社と、
それに付随するセキュリティ市場におけるM16シリーズの優位性を見込んだ点がその主な理由です。


何故退役軍人が所属する民間軍事会社への販路が見出せるのかというと、
彼ら退役軍人が現役時代に使っていたM16と操作性が限りなく近いものであれば、
その教練に費やす労力が省けるし、また世界一アクセサリーモジュールが充実している
M16シリーズの拡張性の高さは、他のアサルトライフルには無い魅力だからです。


しかし、そのような魅力のあるM16には、ただ一点だけ
「機関部が汚れやすい」という欠点があるのは周知の通りです。

その為、HK416ではM16シリーズ最大の特徴であるダイレクトインピンジメントシステムを廃し、
ショートストロークガスピストンによる間接作動方式に改められました。
詳しい解説は割愛しますが、要するに機関部への汚れにめっぽう強くなった改良が施されたのです。
これによって、HK416は「汚れに強いM16」という非常に強力な特徴を持つに至りました。


んで、肝心の海上自衛隊採用のHK416なのですが、
バレルサイズや仕様が公表されていないのでどういう目的でどのサイズを発注したのか不明です。
おそらくスタンダードな14インチだと思いますが、
先ほどの調達予定品目の中に「狙撃銃用輸入弾薬」とあるので、
20インチもありえるかもしれません。

やっぱないかな。多分マッチグレード弾の事を指してるんでしょう。
HK416を狙撃銃として使用する海上自衛隊特殊部隊という絵図は
個人的にそそるんですけどね。


私は89式小銃をあまり肯定的に評価していないので、HK416の採用は歓迎です。
お値段も多分フルセットのHK416の方が安いんじゃないかな。
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by clan-aaa | 2009-06-21 19:00 | ミリタリー | Comments(34)
バイポッドの話
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「Buy American条項」というアメリカの景気対策にちなんだタイトルです。
誤植ではないので悪しからず。。


さて、今回はiPodの話でもウォークマンの話でもなく、
「Bipod=バイポッド(二脚)」のお話です。
バイポッドに隠された、銃器設計者の意図をたどりたいと思います。


■銃の足

バイポッドとは、安定した銃の射撃姿勢を補助する為に、
銃の前下部に取り付ける「脚」の事です。

バイ=Bi(2)ポッドの他にも、モノ=mono(1)ポッド(一脚)や
トライ=tri(3)ポッド(三脚)も存在します。


バイポッドは、射撃が安定する反面、銃の重量がかさみ、活発に取りまわすような場面では
お荷物となる為に、一般的には民間射撃場や競技会で使用する道具です。


面白い事に、世界中のアサルトライフルは
設計段階からバイポッドの装着を前提としているものと、
その装着を全く考慮せずに設計されたものに二分出来ます。


設計段階でのバイポッドの有無。
その差は何処から生まれるのでしょうか。


■攻めの軍隊、守りの軍隊

イスラエルのIWIという銃器メーカーが開発した「ガリル・ライフル」という銃があります。
ガリルは、その設計をほぼ全てAKから拝借していますが、
ただ一点、設計思想に関して根本的に異なる点があります。


AKは、強国ロシアが生み出したアサルトライフルです。
歴史的に、ロシアは常に「攻め」の戦略的外交を基調としてきた国です。
貪欲に領土や資源を追い求めた結果、斯様に広大な国土をもつに至ったのは周知の事実です。
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(↑ 「AK-47」)

その為、ロシアは「攻め」の戦争を多く経験してきました。
そうした「攻め」の戦争を効率的にこなすには、AK-47のように
一切の無駄を省き、取りまわしやすく軽い銃が求められます。
もちろん、前進し続けるロシア軍にとって、バイポッドなど無用のお荷物です。


しかし、そうした「攻め」の戦争とは対照的な歴史を多く持つのが、イスラエルです。
宗教上の地理的条件から、その小さな国土を「守る」為の戦争を多くこなしてきました。
その為、軍隊で使用する銃にも、そうした「守り」の性格が求められます。


拠点に腰をすえ、攻め入る敵を撃ち払う戦いに、バイポッドは非常に効果的に機能します。
銃としても非常に優秀で、「攻め」の設計に特化したAKにバイポッドを取りつけ、
「守り」の銃へと変身させたものが、ガリルライフルといえるでしょう。


このように、バイポッドの有無によってその銃の性格、
しいてはその国の性格が見て取れます。

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(↑ 「六四式小銃」 バイポッドの装着が原則となっている)

日本はどうでしょう。
自衛隊が採用する「六四式小銃」「89式小銃」は、
共にバイポッドの装着を前提として設計されています。
言うまでも無く、専守防衛を国是とする日本の性格が如実に表れている銃だと言えるでしょう。


銃の特徴を知る事は、その国の性格を知る事にもつながります。
バイポッド一つとっても、その国の戦略的姿勢が見て取れるのです。
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ちなみにこの二人(M14、M16)、バイポッドの装着など全く考慮されていません。

By Americanですので。

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by clan-aaa | 2009-06-20 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(0)
ライフルのひみつ ―落ち込み式ボルト―
前回の続きです。
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約2週間かけて取り上げてきた「銃のしくみ」も、今日でひと段落です。
これまでの内容をおさえる事か出来れば、大抵の銃器構造は理解出来るようになります。

というわけで、今回はロータリーボルトロック、ローラーロッキングと並び、
主要閉鎖機構の一つに数えられる「落ち込み式(落とし込み式)ボルト」のお話です。


■「落ち込み式」
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「落ち込み式ボルト閉鎖機構」は、英語ではティルトボルトロッキングと呼ばれ、
主にヨーロッパの銃器に広く採用されている伝統的な閉鎖機構です。
有名な自動小銃ではハーネルStg44、FN FALや日本の六四式小銃が採用しています。
三者は共に落ち込み式ボルトなのですが、その形態や部品構成がビミョーに違うので、
今回はその中でも特にわかりやすい構造を持つハーネルStg44を例にご説明します。
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落ち込み式ボルト閉鎖機構の概要図です。
明るい緑は前回ご説明したボルトキャリアー(ボルト本体を動かす部品)、
暗い緑がボルト本体です。

撃発直前の閉鎖状態では、このようにボルトが弾薬を後ろから抑えています。
この時注目してもらいたいのは、この
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赤丸で囲った部分の位置関係です。
ボルト(暗い緑)は、一段高くなった銃本体によってその後退を妨げられており、
この状態ではボルト単体では前後に一切動けない状態、すなわち閉鎖状態となっています。
このように、一段下がった銃本体へとボルトが落ち込んでいる様態からその名がついています。

そして、この閉鎖を解き放つのは、例の如くボルトキャリアー(明るい緑)です。
ロータリーボルトと同様、ボルトキャリアーが後退する事によって閉鎖解除が開始します。
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順を追って説明します。

①弾薬撃発後、弾頭がガスポートを通過後にガスチューブへと燃焼ガスが流入、
その圧力によってボルトキャリアーから伸びた腕が強く押されます。
この時、後退を始めたボルトキャリアーから突き出した突起と、ボルトから突き出した突起が接触する
(赤丸で囲んだ箇所)点に注目してください。
この2つの突起が接触したまま、ボルトキャリアーはさらに後退します。

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②両突起の傾斜によって、ボルトはボルトキャリアー側へと引き込まれます。
この引き込みによって、銃本体との噛み合いが外れ、ボルトは後退出来るようになります。

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③ボルトキャリアーとボルトは一体となって後退し、薬莢を引き抜きます。
以上で閉鎖→開放の手順は完了です。


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世界中に存在する自動小銃の大半は、
この落ち込み式ボルトかロータリーボルトのどちらかに二分出来ます。
どちらの閉鎖機構が良いとか悪いとかはあまり関係なく、両者ともに一長一短があります。
ただ、現在新規で設計されるほとんどの自動小銃がロータリーボルト閉鎖機構を採用しています。
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というわけで、これにて落ち込み式ボルトの説明はおしまいです。
ここまでの段階で、銃の構造に関する大まかな説明が完了しました。


私の説明がどこまで通用できたかが、一番の気がかりです。。。
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by clan-aaa | 2009-06-16 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(0)
ライフルのひみつ ―閉鎖機構編―
前回の続きです
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銃の構造を知る上で、前回ご紹介した作動機構と並び重要なのが
「閉鎖機構」の分野です。
作動機構とは、この「閉鎖機構」を開放する為に必要な工程であり、
両者の関係は非常に密接です。

今回と前回の内容をおさえれば、銃の構造に関してほぼ9割方理解出来たも同然です。
前回同様なるべく噛み砕いてご説明するので、一つ一つの工程を確実に消化しながら
読み進んでください。


■閉鎖機構とは
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前回までにご説明した「ガス圧利用方式作動機構」には、弾薬を連続的に銃へ供給する為に
ボルトを動かす役割と、もう一つの役割があります。
それが、「ボルトを開放する役割」です。

上の図を一見すると、緑色のボルトはただ単にバレルに装填された弾薬を
後ろから塞いでいるように見えますが、実はこの
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赤いまるで囲った部分は、バレルとボルトが密接に噛みあう、すなわちバレルに対して
ボルトが閉鎖されている状態にあります。
この閉鎖状態だと、弾薬が激発し、薬莢がボルトを強く後ろへ押し出しても、
ボルトは一切動きません。

そして、これを開放する方法こそが、前回ご説明したような、ガス圧を利用した
作動機構による力なのです。

では、実際にどのようにしてバレルとボルトが噛みあっているのか、
そしてどのようにしてそれを解くのかを、M16を例にご説明します。


■ロータリー・ボルトの閉鎖と開放
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(↑ M16の閉鎖機構概要図)

私は根っからの文系人間なので、こうした数学的・工学的図説は非常に苦手なのですが、
そんな私でも理解できるように作ったイラストを使用するので、なんとかその仕組みは
お分かりいただけるかと思います。わかりにくかったらごめんなさい。。。


まず、これまで何度も目にしたガス圧利用作動方式の図説の中で緑のパーツとして
ご紹介してきた「ボルト」は、さらに分解すると、このように2つのパーツで構成されています。
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左の濃い緑が「ボルトキャリアー」、右の明るい緑が「ボルト」と呼ばれるパーツです。
これらパーツ群による閉鎖機構のことを、「ロータリーボルト閉鎖機構」と呼びます。
AK、M16等の主な自動小銃のほとんどが採用する非常にポピュラーな閉鎖機構です。

「ボルトキャリアー」は、ボルトを包み込むような円筒形をしたパーツで、
ガス圧を直接受ける部品が腕のように伸びており、また筒本体には「みぞ」が掘ってあります。

「ボルト」は、ボルトキャリアーの中にすっぽりと納まるような円柱形をしたパーツで、
本体からは小さな突起が突き出しており、ボルトをボルトキャリアーに収める際は、
この突起はボルトキャリアーの「みぞ」に入り込んでいます。

そして、このボルトの先端にある歯車のような形をしたのが、
「ロッキング・ラグ」と呼ばれる突起群です。
この歯車が回転する事で、ボルトとバレルはまるで「ネジとナット」のような関係で噛み合うのです。

その噛み合いと開放について、順を追って説明します。
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ロッキング・ラグの回転角度を示した図において、青色をしているのはバレルにおける溝の角度です。
ネジとナットの関係では、緑のボルトがネジ、それを受ける形でナットに相当するのが青色のバレルです。
一番左の閉鎖状態では、互いに噛み込んでいるのがおわかり頂けるかと思います。

①ボルトキャリアーのみぞに入りこんだボルトの突起は、ボルトキャリアーがガス圧を受けて
後退すると共に、溝の曲線に沿って動く事になります。
これが一番左の図の状態です。


②曲線に沿って動く突起によって、ボルトには「回転運動」がかかります。
この時、ボルトはボルトキャリアーと共に後退する事はありません。
なぜなら、ボルトの先端にある歯車「ロッキング・ラグ」とバレルのみぞが、
まだ互いにかみ合っているからです。
さらに後退を続けるボルトキャリアーによって、ボルトの突起はみぞにそって動き続け、
ボルト自体も回転運動を続けます。
これが真ん中の図の状態です。


③後退を続けるボルトキャリアーのみぞに沿って動いている突起も、
やがて反対側へと到達し、ボルトの回転は終了となります。
この時、ロッキング・ラグとバレルのみぞが合致、両者の関係は開放されます。
こうして、ボルトとボルトキャリアーは一緒になってさらなる後退を続けます。




閉鎖→開放の順序はこの通りです。
開放→閉鎖は、この逆になります。



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・・・・・うーん、難しいですね。。。
仮に私が無知な状態でこの説明を聞いて一回で理解できるかといえば、
ちょっと厳しい、かな。。。

逆にこの説明一発で理解できた方は素晴らしいです、色んな意味で。。。


閉鎖機構はパーツ同士の位置関係やら動きが複雑なので、
文章ではやはり限界があります。
YoutubeにあるM16の動作説明動画の中で、個人的にわかりやすいと感じたものを
いくつか貼っておきましたので、出来ればこちらもあわせてご覧下さい。





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by clan-aaa | 2009-06-13 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(2)
ライフルのひみつ -M16編-
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前回取り上げた「ローラーロッキング機構」の中で、
ガスオペレーションシステムの簡単な原理について触れました。


今回は、数多く存在する自動小銃のほとんどが作動機構として採用している
「ガスオペレーション・システム」と、その派系型であり、M16が採用している
「ダイレクト・インピンジメントシステム」についてのお話です。


■ガスオペレーションの基本
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まずは、前回触れた内容について今一度確認していきたいと思います。

まず第一に、連続的な射撃をする為には、弾薬をバレルへと装填し、また装填後は「ふた」の役割を果たす
「ボルト」(上図緑)を何らかの方法で動かさなければなりません。
この、「何らかの方法」というのが、今回取り上げる内容、すなわち「作動機構」の事です。

ガスオペレーションシステムは、銃のバレルに小さな「穴」(=ガスポート)を開け、
そこから凄まじい勢いで噴出する弾薬の燃焼ガスの圧力を利用します。

その穴から導入された燃焼ガスは、「ガスチューブ」という導管を通してボルトにその圧力を伝えます。
ガス圧が伝わったボルトは、その勢いで後退し、薬莢を引き抜きます。

この一連の動作が、ガスオペレーションシステムの基本原理です。


この作動機構の特徴は

・安定した作動が見込める点
・内部構造が簡素に出来る点
・機関部が汚れにくい点


において有利な反面、

・ボルトが銃身と密接な状態で暴れる為、命中精度が落ちてしまう点
・ガスの圧力によっては、ボルトの後退不良によって作動性能が低下してしまう点


があげられます。


しかし、ガスオペレーションシステムを採用していながらも、
「機関部が汚れやすく、命中精度が高い」という、対照的な性能を持つ自動小銃が存在します。
それが、アメリカ軍が40年の長きに渡り採用を続けている「M16」です。


■M16のひみつ
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(↑ M16に見る「Direct impingement system」の概要図)

特に日本では、M16の作動機構の事を「リュングマン・システム」
開発者の名を冠し称する事が多いのですが、ここではその構造的な特徴から、
そしてアメリカ本国において一般的な
「ダイレクト・インピンジメント・システム」という呼称をあえて使用します。

ダイレクト(Direct)は「直接」、インピンジメント(Impingement)は「衝突する」という意味からも
わかるように、この作動方式はガスの圧力を直接的に利用してボルトを作動させます。


先に述べたガスオペレーションシステムと同じではないか、と思われたかもしれません。
下図は、上がAKやFALが採用する一般的なガスオペレーションシステム、
下がM16の採用するダイレクト・インピンジメントシステムの概要をあらわしたイラストです。
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両者の違いは、「ガスチューブとボルトがどのように絡んでいるのか」という点です。
ガスチューブとは、先に述べたようにバレルからガスを引導するために枝分かれした
導管の事を指します。

上のガスオペレーションシステムでは、ボルトから伸びた「棒」が、
ガスチューブの中に収まり、この「棒」にガスが直接当たります。

下のダイレクトインピンジメントでは、ボルトから「棒」は伸びておらず、
その為に細くなったガスチューブがボルトへ直接突き刺さるような位置関係になっています。

この、「ボルトから伸びた棒があるかないか」が両者の決定的な違いです。
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上図は、ダイレクトインピンジメントが作動する一連の様子を表したイラストです。
上は、弾薬が撃発され、弾頭がバレルを通過、
燃焼ガスがバレルに開けられたガスポートへと導入された直後の様子です。
下は、弾頭が飛翔後、導入されたガス圧がボルトへ伝わり、ボルトが後退していく過程を表しています。

下のボルト後退中の過程について、一般的なガスオペレーションシステムと比較すると
その違いが明らかになります。
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上が一般的なガスオペレーション、下がダイレクト・インピンジメントです。
両者とも、ボルトはこれ以上後退しない状態を表しています。

ガスチューブ内にある燃焼ガスが、ボルトから伸びた「棒」によって栓をされている状態の
ガスオペレーションシステムに比べ、ダイレクトインピンジメントでは、ガスチューブ内の
燃焼ガスが銃本体内部へと直接吹き付ける形となっています。

もうお気づきかと思いますが、前者の場合、燃焼ガスが銃本体内部へ侵入しにくいのに対し、
後者の場合は、直接「中へ出してしまう」為に汚れやすい構造となっています。
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この「燃焼ガスによる汚れ」は、銃の作動性能を妨げる最大原因となります。
ベトナム戦争では、このようにM16が汚れやすいという特徴を持っている事を知らない兵士が、
燃焼ガスの不純物が多く汚れやすい弾薬を使用してしまった為に、戦闘中に故障を頻発し、
弾は入っていながらも動かなくなったM16を抱えたまま戦死する兵士が続出しました。

しかし、このような短所を抱える反面、ボルトから伸びた棒が暴れる事が無く、
バレルへのストレスが低い為、M16は世界中の軍用銃の中でもトップクラスの命中精度を誇ります。

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個人的な意見としては、兵士教育が手厚く、その錬度も高いアメリカ軍だからこそ
このような特殊性を持つ自動小銃を主力ライフルとして運用できるのだと思います。
逆に、兵士の精度が期待できない途上国の軍隊や、兵役義務のある国々、また自衛隊のような軍隊には
全く適さない銃です。これは兵士への期待度と、資金的な問題が関係しています。


銃の構造、性能を紐解くと、このように軍隊そのものの性格や実情が見えてくる点も
銃器研究の面白さと言えます。
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by clan-aaa | 2009-06-09 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(0)
傑作 - HK G3 -②
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前回取り上げたHK社のG3では、「ローラーロッキング」と呼ばれる革新的な作動機構を備えている事をお話しました。

今回は、その「ローラーロッキング」とは一体どういうものなのか、
そして、G3を生んだ世界的銃器メーカー「HK(ヘッケラーコック)社」について
触れていきたいと思います。


■「ローラー・ロッキング構造」とは
これまで2ヶ月間小銃少女を描いてきた中で、私はわざと「銃の作動機構」について触れてきませんでした。
というのも、作動機構は銃を理解するうえで最も難関とされる分野であり、無用な説明によって
読者の皆さんに混乱をきたさないように意識してきたからです。

今から行うローラーロッキング構造の説明は、実物からかなり簡略化した図と文章を使用します。
ですので、今回の説明は正確な構造説明とはいえませんが、
「だいたいこんな感じで銃は動いているんだな」くらいに受け止めてお読み下さい。

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上の図は、作動機構を説明する上で最小限必要なパーツ群です。
青色はバレル(銃身)緑はボルト黄色は薬莢オレンジは弾頭です。

この上下一連の図は、バレルの中に入った銃弾が撃発され、弾頭が発射された過程を示しています。
上は、バレルに弾薬が装填され、ボルト(緑)で栓をされている状態です。
下は、弾薬が撃発され、弾頭が飛翔していった直後の状態です。


この後、銃弾を連続的に撃ち続けるためには、ボルト(緑)を何らかの方歩で後退させる、
すなわち黄色い薬莢を何らかの方法でバレルから引き抜き、
新しい弾薬を装填しなければなりません。
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そこで、世界中に存在する自動小銃のほとんどは、上図に示される
「ガス圧利用方式(ガスオペレーション方式)」によってその工程を完了させます。

これは、撃発後に発生する火薬の燃焼ガス(赤いもや)を、バレルに開けられた穴から
噴出させ、そのガス圧を利用してボルト(緑)を動かす構造です。
AK-47、FAL、六四式小銃、広義ではM16もこの方法を利用しており、
現在では最もポピュラーな作動方式となっています。

しかし、この方法はバレルに対して大きなストレスがかかります。
何故なら、バレルと常に密接な関係にあるボルトが、射撃中に往復運動を繰り返し、暴れる事で
バレルをいたずらに振動させ、命中精度を落としてしまうからです。


一方、G3に採用されたローラーロッキングは、ガスの圧力を直接利用する事はありません。
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上図を見ればわかるように、弾薬の撃発後は弾頭が飛んでいく方向とは反対方向にも、
作用反作用の法則により強い力が発生します。
これが、いわゆる銃の反動です。
ローラーロッキング方式は、大変大まかな表現になりますが、
この反動を利用してボルト(緑)を動かすのです。

この方法では、バレルに対するストレスが非常に少なくなる利点があります。
そして、この方法を使えば、非常に高い命中精度を確保する事が出来ます。


そして、この作動機構を搭載する事によって、とあるジャンルの自動小銃に
革命的な進歩をもたらした銃器メーカー、それが「HK社」です。


■銃器界の異端児

ピストル用の弾薬をフルオートで撃ち出す自動小銃、それが「サブマシンガン」です。
サブマシンガンは、古くからただ単に弾をばら撒くだけの道具と見なされており、
狙って当てる「狙撃」のような使い方とは無縁な存在でした。
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(↑ 「HK MP5」 サブマシンガンの存在を一変させた革命的モデル)

しかし、このサブマシンガンに、先に述べた「ローラーロッキング」を搭載させ、
数百メートル先の標的への狙撃をも可能にさせたサブマシンガン「MP5」を生み出したのが「HK社」です。
それまで見向きもされなかったサブマシンガンという存在価値を大いに引き上げ、
世界的な成功を収めました。


HK社は、常に斬新な視点から銃器開発を行い、また独創的な材質・構造・設計思想を持った
銃器をこれまで多く手がけてきました。


歩兵戦術に革命をもたらす可能を秘めた自動小銃「G11」「OICW」を構想したり、
世界で初めてプラスチックを大胆に取り入れたピストル「VP-70」を開発したりと、
その発想は常に世界の銃器業界を変えてきました。
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要人警護や護身用として使用する為、アタッシュケースの中にMP5を仕込んだ
「コッファー・マシンピストル」は、HK社の独創的銃器開発の代表例といえます。
しかし、時代が常に新しい物を求めるのかと言えば、必ずしもそうではありません。
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目新しい物、独創的なものは、裏を返せば信頼性が低く、簡単には受け入れにくい現実が存在します。
確実・堅実なものこそが信頼に直結する銃器業界では、特にその傾向が強いと言えます。


HK社が現在ドイツ軍に納入し、同社のアサルトライフルの現主力モデル「HK50シリーズ(G36)」は
それまで同社の主力作動機構であったローラーロッキングを廃止し、
AKのようなガスオペレーション方式に改められています。


短所を個性でカバーしていた古きよき時代の自動小銃、G3は
銃器業界の異端児「HK社」を象徴する、最初で最後のアサルトライフルでした。
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by clan-aaa | 2009-06-06 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(1)
傑作 -HK G3-
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FN FAL六四式小銃のような、いわゆる30口径以上の弾薬を使用する第一世代自動小銃は
総じて評価が低く、同世代ではAK-47の一人勝ち状態でした。


しかし、そうした華々しい活躍こそ収めてはいないものの、
「第一世代裏の覇者」「西側で唯一成功した自動小銃」と評された
ドイツの自動小銃が存在します。

今回は、自動小銃の異彩「HK G3」のお話です。


■ドイツの復権
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(↑ 「G-06(H)」 G3の祖父にあたるモデル)

「アサルトライフル」という言葉の元となったStg44を生み出した小銃王国ドイツは、
第2次世界大戦中、Stg44をさらに進化・発展させた自動小銃「G-06(H)」を開発します。
対戦中の混乱期にG3の祖先となったモデルを開発した先見性は目を見張る物があったのですが、
残念ながらその評価が固まる前に戦争が終わってしまいました。
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(↑ 「セトメA1」 G-06をスペインで発展・改良させたG3の父にあたるモデル)

戦後、職を失ったドイツの銃器設計者達は、世界中の銃器メーカーへその腕を買われます。
未だ日の目を見ぬG-06(H)の設計者たちは、スペインの銃器製造機関に雇われ、
G-06(H)をさらに発展・改良させた「セトメ・ライフル」を完成させます。
これが、G3の原型となったアサルトライフルにあたります。


ここまでして、彼らドイツの銃器設計者たちがG-06(H)を完成させようとしていた理由は
その内部機構に絶対的な自信を持っていたからです。
従来の自動小銃、機関銃、そしてAK-47やFALのようなアサルトライフルのほとんどは
火薬の燃焼ガスの爆発的圧力を外的利用して機関部を動かしていました。


しかし、G-06(H)やセトメに搭載されている「ローラー・ロッキング構造」は
発射時に薬莢が銃口とは反対方向へ吹き戻される力「反動」を利用して
機関部を動かすものでした。
これは、特に命中精度に関して大変有利になる利点があります。
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(↑ G3A3 フルサイズの基本モデル)

その後、セトメ・ライフルの性能を聞きつけた本国ドイツの軍部は、
新型ライフルとして自国採用すべく、国内の銃器メーカー「H&K社(ヘッケラー&コッホ)」に
セトメの更なる発展・改良を命じます。
こうして完成した新型アサルトライフルは、戦後ドイツの新制式小銃「G3」として採用されます。


■ローラーロッキングの光と影
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G3の利点は、先に申し上げた「ローラーロッキング構造」に
その全てがあると言っても過言ではありません。
ローラー・ロッキングはその構造上、銃身にかかるストレスが非常に少なく、
軍用ライフルではトップクラスの命中精度を誇る事でも有名です。
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これは30口径クラスの大型ライフル弾と同機構の相性が良かった為で、
同弾薬を使用するアサルトライフルの中で、G3と並び高精度かつ
実用的なフルオート可能なモデルはそう見当たりません。


しかし、長所であるローラーロッキング構造は、その構造が複雑な為に
汚れに弱く、また製造コストがかかるといったG3の短所の原因ともなっています。
故に、同構造が世界中のアサルトライフル設計の流れを変える事はありませんでした。


そういった意味では、世界中のアサルトライフルの構造が軒並み同じような物が多いのに対し、
G3は我が道を行く、非常にマイペースな存在だったと言えるでしょう。
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by clan-aaa | 2009-06-02 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(2)