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銃詛
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※追記 いろんな方から「意味がわからん」「話が見えない」と言われて涙目です^^
今作は、「答えが無いのが答え」「オチがあって、ないようなもの」がそのねらい、、、、
だったのですが、冒険しすぎたかもしれません。。。
ただ、ちゃんと全てのコマ・仕草・台詞・表情・空間に意味があって、話としては成立している(はず)
なので、その理不尽さに少しでも恐怖を感じていただければ幸いです。



人を笑わせるより、怖がらせる方が難しい気がします。
描く側としては楽しいけど、非常に神経を使う回でした。


さて、今回はそんな夏らしい「怖い話」という事で、
銃にまつわる怖い話「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」のお話です。


■呪われた銃

かつての西部開拓時代、アメリカ全土を席巻したライフルが存在しました。
通称「ウィンチェスター・ライフル」と呼ばれたその銃は、優れた性能、
特に当時としては革新的な連続射撃が可能だった「レバー・アクション」と呼ばれるメカニズムを
備えていた事が評判となり、大きな成功を収める事になります。


こうして「ウィンチェスター一族」は、ウィンチェスターをアメリカを代表する銃器企業に、
成長させる事に成功しますが、残念な事に2代目当主は若くして病死、
その夫人であった「サラ・ウィンチェスター」は未亡人になると共に、莫大な遺産と、
それに加えて日換算でも数百万円の税収を得る事になります。


夫の早すぎる死によって悲しみに明け暮れるサラ夫人は、とある霊媒師から次のような忠言を
受けた事で、狂気に走り始めます。



「ウィンチェスター一族は、その成功と引き換えに、
莫大な数のウィンチェスターライフルから放たれた銃弾によって
殺された人々の怨念がつきまとっている。
この呪いを解くには、新居を構え、それに絶え間なく増改築を施すしかない。」




え、なんでそうなるん?って感じですが、失意のサラ夫人は霊媒師の言葉を信じ、
狂気の住居増改築を開始します。


■狂気の館
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(↑ 「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」俯瞰図)

霊媒師の言葉どおり、サラ夫人は亡くなるまでの約40年間、住居の増改築を続けました。
そして、この増改築の狂気の本質は「不可解な構造にしてある点」にあります。

例えばこのドアの場合、開けた先が外に直結していたり、
その逆で、ドアを開けた先が壁になっていたり、
窓が何故か床に取り付けられていたり、
階段を上がった先が天井で塞がっていたり、
階段と階段の間がつながっていなかったり(写真では渡板が架かっている)と
欠陥住宅なのかカラクリ屋敷なのか、全く不可解な構造になっています。

これは、悪霊が家に入り込めない、または迷ってしまうようにわざとこのような
構造にしてあると言われています。

この後、狂気の館「ウィンチェスター・ミステリー・ハウス」は、
サラ夫人の死後に売却され、現在では観光地になっています(一般観覧可能)。


んで、その呪いは解けたのかというと、、、、どうなんでしょうね。
ちなみに、ウィンチェスターは近年になって経営状況が悪化し、経営再建中です。
あのウィンチェスターライフルを超えるベストセラーが生まれなかった事が原因だとされていますが。


まだ、呪われているような気がします。

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by clan-aaa | 2009-07-29 09:00 | 「小銃少女」 | Comments(0)
銃のお肌
※私的急用により28日更新分は29日早朝更新となります。ご了承下さい。
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さて、今回は「銃のお肌」、
表面仕上げに関するお話です。


■輝くお肌

銃が鉄で出来ている以上、その地肌が錆びたり風化しないよう、何らかの表面加工を施さなければなりません。
古くから用いられてきたのは、いわゆる「ガンブルーフィニッシュ」とよばれる、
苛性ソーダ溶液を用いた原始的な表面処理でした。
独特の青みがかかった非常に美しい肌が特徴で、現在でも一部の高級狩猟銃やオールドレプリカに
用いられています。


しかし、ガンブルーフィニッシュは美しさが引き立つ反面、固着力が弱く、
すぐに表皮が剥がれ落ちてしまう弱点がありました。
そして、その美しく照り輝くガンブルーは光に反射しやすく、敵に見つかりやすくなってしまう
点が特に軍用銃において不向きだとされてきました。


そこで、軍用銃向けに考案された表面処理が「パーカライズド・フィニッシュ」です。
苛性ソーダを主剤とした合成化学溶液に漬け込む事で発生するリン酸塩皮膜を利用した表面処理で、
その特徴はツヤが無く、ガンブルーに比べて強力な皮膜を形成する点です。
またガンブルーに比べて加工の手間が少なく、安価である点も軍用銃に多用された理由です。


パーカライズド処理の技術向上と、金属精度の向上によって、
表面処理の分野はある種のゴールにたどり着いたのですが、現代になって訪れた銃本体素材そのものの
大きな変化によって、銃の表面処理はその概念が一変します。


■老けない、お肌

現代になって銃に多用されるようになった新素材
「ポリマー樹脂」の登場によって、表面処理の世界は一変します。
樹脂なので、素材に着色料を加える事で何通りもの色を再現することが可能となり、
また色が剥がれ落ちたり、金属と違って錆びる事もありません。
表面処理を必要とするのも、一部の金属パーツだけなので、これまで使えなかった
手間や費用がかかる高度な表面処理を用いる事が出来ます。


こうして、今や銃は「ほぼ老いる事の無い体」を手に入れるようになったのです。


しかし、かつての「ガンブルー」に光り輝いていた銃に魅力を感じるのは、
私だけではないはずです。
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by clan-aaa | 2009-07-25 22:00 | 「小銃少女」 | Comments(0)
四式小銃の怪
唐突ですが、去る7月22日、アニメーターの金田伊功氏がお亡くなりになったそうです。
アニメを語る上で氏の残した功績はあまりにも大きいと思います。
かの近藤喜文さんも若くしてお亡くなりになったように、アニメーターという仕事は
自分の命を削ってアニメに命を吹き込む大変な職業であるのだなと思います。
ご冥福をお祈りします。


さて、話変わって先日「BattleField1943」がコンシューマー機にてリリースとなりました。
同シリーズの最新作という事で大変な人気を博しているそうですが、その中の一陣営として
旧帝国陸軍が登場します。
実際にプレイした方から感想などを聞いたところ、なんでも
「日本軍がセミオートの銃を持っている」との事。

旧軍が採用していた主力小銃の中に、セミオートは存在しないはず。。。。
と気になって調べてみた所、なんとその正体は
「Type 5 Rifle = 四式小銃」という事が判明しました。
まさかこんなものを持ってくるとは、ちょっと驚きでした。


まずこの銃を語る前に、ある誤解について説明せねばなりません。
この誤解は、世界的に広まってしまったものであり、せめて当ブログ読者の皆様だけは
正確な情報を理解して頂き、また非常に情報が少ない同銃に関する一情報源として自負するくらいの
覚悟で今回の記事を仕上げていこうと思います。
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(↑ 「試作四式小銃」 都野瀬光男著「幻の自動小銃」より)

旧軍では、数々の試作小銃、特に主力小銃のオートマチック化を主軸とした開発が行われていました。
その当時、各国軍隊も同様の開発を行い、来るべき「オートマチック戦争」に備えていたのですが、
セミオート化による弾薬消費量の増大による物資枯渇の危惧、
また旧陸軍における銃剣突撃等に見られる「精神力万能主義」が蔓延っていた為、
主力小銃のオートマチック化という安易な火力増強に対して理解が得られなかった背景がありました。


しかし旧海軍では自動小銃のオートマチック化の必要性を感じており、その開発を陸軍へ打診
(その当時の小火器開発は全て陸軍兵器局が掌握していた為)したのですが、
前述の理由により拒絶されてしまいました。

そこで旧海軍は兵器局での開発を諦め、同軍軍需指定工場であった愛知の民間企業ワシノ製機に対して
米軍からの押収兵器「M1ガーランド」を参考にしたオートマチック小銃の試作を命じます。
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(↑ 「四式小銃製図」 戦後豊和工業によって再調査されたもの)

こうして完成したのが「四式小銃」です。
当初250丁程度が製造されたのですが、ガーランドで使用するM1実包の弱装仕様ともいえる
九九式実包では作動面に難があり、特にボルトアッセンブリーの後退不良による排莢不良が絶えず、
ワシノ製機は旧海軍に対して設計変更を求めましたが、その許可が下りる前に終戦を迎えてしまいました。


こうして試作止まりに終わった四式小銃は、その後米軍に押収され、調査される事になります。
この時、米軍の調査書に「Type 5 Rifle」と誤った名称が記されてしまった事が、誤解の発端です。


時は流れ60年代初頭、日本国内で自衛隊が使用する自動小銃の開発が開始されます(六四式小銃)。
開発を担当した豊和工業は、様々な自動小銃を調査・参考としたのですが、その際にあの四式小銃も
調査の対象となりました。
その際に用いられたのは、かつての米軍調査書。
誤った名称が記載されているにも関わらず、そのまま「Type 5 = 五式小銃」として
翻訳された同銃は実在数も少なく、情報に乏しい為、アメリカだけでなく、本国日本においても
誤解が広まり、定着し、現在に至ります。


紆余曲折を経た今、ようやくバトルフィールドにて日の目を見たにもかかわらず、
試作四式小銃は、間違った名称で呼ばれ続けているのです。


その誤解が解けるのは、いつになるのでしょうか。
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by clan-aaa | 2009-07-23 21:00 | ミリタリー | Comments(5)
銃の交配
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更新がえらく遅くなってしまって申し訳ない限りです。
諸事情により不規則な生活スケジュールが今後もしばらく続きそうです。

さて、今回は「銃の交配」です。
銃も結婚したり子供を生むんですね。今回はそういうお話です。

■いいとこどり

優秀な種族を交配させてさらに優秀な個体を生み出す交配は、銃器の世界にも存在します。
以前ご紹介した「コンビネーション・ガン」とは違って、交配の場合、
その特性だけを抽出し、一つの個体に形成するという特徴があります。

非常に高品質のバレルを備え、その流麗なデザインと仕上げによって
「リボルバーのロールスロイス」と呼ばれた「コルトパイソン」は、残念な事にその内部メカニズムが
未熟であった為、実用性に欠けていた事でも有名です。


コルトのライバル社S&Wは、自社製品にパイソンのようなカリスマ的モデルこそ持っていませんでしたが、
リボルバーとしての完成度には一歩先んじていました。
その優れた内部性能から、同社製リボルバーはリボルバーのベンチマーク的存在とされています。


優れたバレルを持つパイソンと、優れた構造を持つS&Wのリボルバーの「いいところ」だけを合わせたものが
交配種「SMYTHON」(スマイソン)です。
優秀な箇所を抽出し掛け合わせる事で、さらに優秀なものを生み出した銃の交配の典型例です


自動小銃の世界でも、有名な交配例が存在します。
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前例のように、両者が世界的に有名なライバル関係にある「M16」と「AK」の交配例、SR-47です。

これは、アメリカ軍部が出した「戦場で押収した敵方の弾薬(主にAK用7.62mm×39)を使用できる
M16っぽい銃が欲すぃ」という要求にとある民間企業がこたえたもので、
特殊部隊での使用を前提として開発・製造されました。

このSR-47は実際に何度か戦場へ投入されたのですが、
残念ながらM16の弱みである機関部の汚れやすさが目立ってしまい、
「そんなんだったらもう最初っからAK持って行けばよくね?」という結論に達してしまい、
お蔵入りとなってしまいました。


両親が優秀であっても、生まれてくる子供は
必ずしも優秀であるとは限らないのです。
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by clan-aaa | 2009-07-21 22:00 | 「小銃少女」 | Comments(1)
銃声
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小中高生は今日から夏休みですね。
私も昔はセミ捕りやら釣りやらプールやらと毎日外で遊んでたのに、
どこで足を踏み外したんでしょうね。


※21:00追加更新しました


さて今回は、「銃声」のお話です。
前回更新した記事「サイレンサーのお話」と一緒に読むといいかもしれません。


■危険な銃声

サイレンサーの記事でも触れましたが、「銃声」というのは複数の要因が
複雑に絡み合って発生する音です。
その要因は、以下三つに大別する事ができました。

①発射薬の燃焼音・爆発音
③音速を超えた弾丸から発生するソニック・ブーム
②機関部の作動音


今回は、「①発射薬の燃焼音・爆発音」に起因する銃声にスポットをあてていきたいと思います。


前述①の要素から成る音というのは、非常に強力かつ危険です。
射撃の際にイヤーマフやイヤープロテクターを必ず着用しないと、わずか数発の発砲の爆音で
耳が遠くなり、何度も繰り返せば難聴になってしまいます。
兵士が密閉型インカムシステムを使って会話する理由は、こうした事情が絡んでいます。


しかし、そうした小手先の対処では銃声を効率的に処理する事は出来ません。
そこで、銃声に「指向性」を持たせる事である程度の音量軽減を図る方法が用いられます。


自動小銃の銃口には、フラッシュハイダーと呼ばれる部品が取り付けられています。
この部品が持つ一番のねらいは、マズルフラッシュと呼ばれる発射薬の爆炎を打ち消す、
また分散させる事なのですが、その構造は銃口に近づくにつれて、徐々に広がっていくようになっています。

このトランペットのベルのような構造によって、銃声を目標方向へと集中させる、すなわち指向性を持たせ、
射手自身の耳にかかる負担を軽減しています。


■銃声の威力

人の声色が一人一人違うように、同じ弾薬を使用する銃でもその種類によって銃声が違います。

軍では、一般的に鹵獲(敵の兵器を押収する事)した銃は使用してはならない、と規定されています。
これは、敵の銃を使用することで、味方が敵の銃声と聞き間違え、同士撃ちを防止するためです。

これを逆手にとって、敵を混乱させる為にわざと敵の銃器を使用する場合があります。

一例では、ベトナム戦争時に特殊部隊がベトコンの使用するサブマシンガンをわざわざ調達し、
使用する事で、敵戦線に混乱を引き起こしたという事例があります。
しかも、その銃の調達が困難になったという理由で、わざわざ国内銃器メーカーに
コピーを作らせたという逸話も残っています。


銃声も、立派な攻撃手段なのです。

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by clan-aaa | 2009-07-18 10:00 | 「小銃少女」 | Comments(0)
銃の年齢
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ちなみに私は10月20日です。残念ながらまだ程遠いですね。
かといって誕生日直前にお祝いを催促するのは嫌いなので、ここで先に言っておきたいと思います。
もし覚えていて下さった方は誕生日当日にコメントでもメールでも下さい。
もし本当に来たら泣くですよ。来なくても泣くんですけどね。


さて、今回は「銃の年齢」についてです。
自動小銃はみなさんよりも年上か、年下か、はたまた同い年かもしれません。


■銃の年齢

戦闘機などの航空兵器、戦艦などの海戦兵器、
また戦車などの陸戦兵器は、大抵十数年で現役から遠のいてしまう
運命にあります。

しかし、小銃はそれらと比べて、非常に長い期間現役として活躍する兵器です。
一例を挙げると、日本を含めた全世界の軍隊で現役採用されている機関銃
「M2ブローニング」は、1933年にアメリカ軍で採用されて以来70年以上活躍する
古参中の古参です。

自動小銃においては、やはりAK-47が現役一番の長寿だといえます。

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■AK-47
→ 62歳
 

同銃とそのバリエーションは、未だに全世界の軍隊・紛争地帯で
活躍し、今もなお最新の自動小銃が敵わないような性能を秘めている驚異的な陸戦兵器です。


その他、正規軍において現役で活躍する小銃少女の年齢は以下の通りです。

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■M16A2
→ 24歳 (初代M16から換算すると45歳)

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■FN FAL
→ 56歳

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■HK G3
→ 50歳

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■六四式小銃
→ 45歳

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■L85A2
→ 9歳 (初代L85から換算すると29歳)



次々に新型兵器を投入し、兵器の世代交代が激しいアメリカ軍でも、
これほどまで長きに渡り現役でい続けている陸戦兵器は、
M16と前述のM2ブローニングぐらいでしょう。

自動小銃、もとい小火器がこれほど長い寿命を持つ兵器である理由は、
小火器が非常に完成度の高い兵器であるのはもちろんの事、
優れた兵器であるからこそ長きに渡り現役でいられるのです。

年を食っていると骨董品扱いされる戦車や航空機の世界とは違い、
小銃にとって、その重ねた年齢は優れた兵器である確かな証なのです。
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by clan-aaa | 2009-07-14 12:00 | 「小銃少女」 | Comments(0)
火薬のお話
前回の続きです。
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第二次大戦期、さらにはベトナム戦争期頃までは積極的に投入されていた火炎放射器ですが、
現在ではほとんどの軍隊が採用を取りやめました。

背中にむき出しの巨大な爆弾抱えていくようなものですから、言うまでも無く危険なんですね。
汚物を消毒するくらいしか使い道が無いのです。


さて今回は火炎放射器でも北斗の拳の話でもなく、
火薬のお話です。

■黒色火薬・無煙火薬

10世紀頃に中国で生まれた世界三大発明の一つ「火薬」は、開発当初
爆音で敵を混乱させたり、原初的な手榴弾のような使われ方をしていました。

やがて火薬は「弾」と共に筒の中へ装填しする事で、指向性を持った強力な攻撃兵器
「銃」や「砲」にもっぱら使用されるようになります。

この後火薬はヨーロッパにおいて威力を増す改良が施され、「黒色火薬」となり
19世紀頃に無煙火薬が登場するまで長きに渡り使用され続けましたが、
いくつかの問題点を抱えていました。

まず一つは、燃焼する際に発生する「煙」です。

単発の火縄銃であっても、一列になって斉射すればすさまじい量の煙が上がり、
敵に対して位置を暴露するだけでなく、視界を妨げる原因にもなりました。


そして一番の問題が、「威力が弱い」事です。

ハンドガンがリボルバー一辺倒だった時代に使用されていた
黒色火薬は威力が弱い為、薬莢を長くとらねばなりませんでした。

その後、強力な無煙火薬が登場する事によって、薬莢をそれほど長くとらなくて済む様になりました。
もちろん他にも理由はありますが、これがオートマチックピストル用弾薬と
リボルバー用弾薬の長さの差異における根本的な理由です。


無煙火薬の登場は、前回お話したライフリングと並び銃器史において革命的な出来事でした。
黒色火薬と違い煙が少なく高威力な無煙火薬の登場によって、
小銃弾薬は小型化と高威力化を両立する事に成功します。


現代小銃の発展は無煙火薬をなくしてありえませんでした。
その無煙火薬の登場が、19世紀後半であった事を考えると、
長い長い銃器史における近代小銃の歴史というのは、つい最近の出来事であると言えるでしょう。

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by clan-aaa | 2009-07-11 10:00 | 「小銃少女」 | Comments(0)
ライフリングのお話
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1コマ目にぐるぐる回るシーンを入れて、ライフリングの話につなげようと思ったのですが、
構成の都合上省略しました。
毎回マンガの内容に絡んだお題を取り上げているつもりなのですが、
もはや形骸化しておりますね、えへ^^


というわけで、今回はライフリングのお話です。

■ライフルの語源

ライフリングの発明は、銃器史における最大の発明といっても過言ではありません。

その昔、まだ火縄や火打ち石をつかって撃発していた頃の銃は、
「スムース・ボア」と呼ばれる内部がツルツルなバレルを使用していた為、
弾丸にまったく回転がかかっておらず、射程距離はせいぜい100m程度でした。

その後、とある銃工が銃身内部のこびりカスを防ぐ目的で、銃身内部に溝を彫る工夫を施した所、
こびりカスの除去だけでなく、命中精度も上がるという事実が判明しました。
やがてこの溝は、「ライフル」と呼ばれるようになり、いつしか
ライフルが彫られた銃そのものを「ライフル」、
そして溝は「ライフリング」
と呼ばれるようになりました。

そのような経緯により、ライフリングが彫られていない頃の銃
(種子島火縄銃など)はライフルとはいいません。

こうして、銃身内部を走る溝「ライフリング」によって弾丸に回転をかけられるようになった銃は
射程距離と命中精度を大きく伸ばす事になります。


■銃の指紋
最初はバレルに対して直線に一本だけ彫られていたライフリングは、
その後改良を重ね、斜めに何本も彫られるようになりました。

ライフリングは、「旋条」(しじょう)に彫られています。
ぐるぐると渦を巻いているようなイメージですが、バレル内面に対して斜めに彫られています。

銃弾は、このライフリングに食い込みながらバレルを進む事により回転がかけられます。
食い込むという事は、当然銃弾にはその痕(あと)が残ります。
そしてこの痕を、「ライフリング・マーク(旋条痕:しじょうこん)」と言います。

旋条痕は、「銃の指紋」ともいえるものであり、同じ種類の銃であっても
二つと同じ物が無い為、銃弾に残された旋条痕は、
特定の銃器を特定する手がかりとなります。


警察の鑑識課には、主要銃器の旋条痕を収録したデータベースがあり、
例え現場に銃や薬莢が残されていなくても、銃弾の旋条痕を鑑定すれば
使用された銃器を特定する事が出来るのです。

悪事は直ちに暴かれる、というわけです。

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by clan-aaa | 2009-07-07 12:35 | 「小銃少女」 | Comments(4)
銃と水
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7月です。ブログを再開して早くも3ヶ月も経ちました。
ここまで定期的に更新を続けられたのは、一重に読者の皆さんのおかげです。
これからもよろしくお願いします^^


さて、7月一発目は「銃と水着」
ではなく「銃と水」にまつわるお話です。


■銃の大敵・水
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とても不思議な話ですが、銃口に入ったわずかな水滴によって
銃身がパァになってしまう事があります。

これは、銃身へ侵入した水滴が、
毛細管現象を起こし銃身内部に水膜を張ることで、
弾頭を先行する燃焼ガスが弾頭と水膜の間で板ばさみとなり、
圧力異常を引き起こし、銃身が膨れ上がってしまうのです。(「異常腔圧」の一種)

なおこの現象は小口径の銃にのみ多発し、口径の大きな銃は
水滴がライフリングにそって流れてしまう為、発生しない問題とされています。

ベトナム戦争中、小口径のM16を採用した当時のアメリカ軍が
悩まされたのもこの問題でした。
その為、「M16を携行して河川を渡る際は銃を必ず水上に保つ、
もしくは防水ケースに入れる事」とのお達しが出たほどでした。


■水中の銃弾

戦争映画の名作「プライベートライアン」をご覧になった方は多いと思います。
その冒頭の上陸シーンで、ドイツ軍の猛攻を受けた連合軍兵士が
次々に倒されていくシーンがあります。

その際、ドイツ軍の機関銃から放たれた銃弾が水中をビュンビュンと貫く
印象的な描写がなされます。

では実際に、水中に放たれた弾丸は殺傷威力を有しているのでしょうか。

結論から言えば、水中でも弾丸は殺傷能力を有しています。
しかし、それは非常に短い間であり、例えば小銃で最大クラスの50口径弾でも
水中では1メートル~2メートル弱しか殺傷能力を有していません。
一般的な30口径クラスの弾薬でも、1メートル程度水中を進めば
威力を失します。

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ただし、入水角度や弾頭形状などの条件によっては、これ以上だったりこれ以下だったりします。
ですので、もし銃弾を避けるため水中へもぐるような事態になった際は、
「水深2メートルまで潜れば安全圏内」だと言えます。
どんな状況やねん、って感じですが。


■水中銃

意外にも水に対して非力な小銃ですが、水に対して強い銃、
すなわち「水中銃」も実在します。

水中銃の中でも、旧ソ連が開発した「APS水中アサルトライフル」は特に有名です。
これは、水中でも威力を失わないような工夫が凝らされた専用ダーツ弾を
フルオートで水中射撃する事が可能な特殊アサルトライフルです。

特殊なダーツ弾は、水深5メートルでは約30m、水深20メートルでも約20メートル
また地上でも100メートルの殺傷能力を有しています。


また、小銃ではありませんが、「水中グレネードランチャー」という変わった代物も存在します。

こちらも同じく旧ソ連が開発した「バツァルトDP-64」という特殊グレネードランチャーです。
発射すると時限信管により一定時間後に爆発し、水中でも直径14メートル以内の人間を殺傷する事が可能です。
また水中の敵を照らし出すための「水中照明弾」なるものも使用できます。
水の中では撃ちだせないので、港湾施設等で敵のフロッグマン
(潜水兵)を攻撃する際に使用するものとだと言われています。

そんなわけで、銃弾を避けるため水中にもぐるような事態でも、
上記のような武器で狙われた場合はあきらめて下さい。素潜りで20メートルとか無理です。
どんな状況やねん、って感じですが。


ちなみに私、あんまり泳げません。
プライベートラインだと真っ先に死ぬ兵士Bあたりになる事は間違いありません。
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by clan-aaa | 2009-07-04 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(0)