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GPMG東の横綱 "PKM"
1月29日:記事中の画像について削除申請がございました
記事中の画像について無断転載であるとのご指摘がございました。
自身の軽率さゆえ関係者にご迷惑をおかけすることになったことをお詫び致します。
申し訳ありませんでした。

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ローラがなんか鼻につきますけど、ちゃんと理由あっての事です。
何でカメラの話に食って掛かったか…カメラじゃなくてもいいんですけど…
毎度の事ながら面倒くさい漫画ですいません。。。


さて、今回はソ連を代表するGPMG
「PKM」のお話です。


■世界一の機関銃
PKMの話をしようと思ったのですが、特に書くことがありません。
実はこれこそ、PKM一番の特徴であり、長所でもあります。


話変わって、皆さんは「世界一の銃」と聞いて、何を思うでしょうか。
色々あると思いますが、私は「工業製品としての優秀さ」すなわち「生産数と市場評価」をメインとした
相乗積ではかるべきだと思います、
が、これではあまりにも具体性にかけてきます。
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では、「世界一銃を作るのが上手な国は?」となると、これはドイツ、僅差でアメリカだと思います。
両国ともに豊富な経験から優れた銃を数々生み出してきました。


でも、「世界一軍用銃を作るのが上手な国は?」となると、これはソ連だと思います。
私個人の考えでは、アメリカもドイツも、軍用銃ではソ連に及んでいません。


ソ連の銃は、アメリカのように浮ついたつくりでもなく、ドイツのような気難しさもありません
ただそこにあるのは、地球上どんな状況下でも、弾を装填すれば確実に作動する安心感だけです。


私はかつて、AKを「きわめて完成度の高い、いいとこ取り」だと表現しました。
特筆すべき画期的メカニズムも無く、それまで使い古された技術を寄せ集めたものです。
しかし、そうして完成した何の変哲も無い銃は、今では世界中で1億丁が氾濫しています。


PKMもまた、そうして完成されたソ連製銃器の傑作です。
設計者はミハイル・カラシニコフ。AKを生んだあの銃器設計者です。

PKMには、このブログの読者の方には説明するまでも無い
オーソドックスな閉鎖機構と作動機構が搭載されています。
技術の粋を集めた目新しいメカニズムなど、何一つありません。


ただ一つあげるなら、使用弾薬の7.62×54mmR弾が、薬きょう底の「ふち」が飛び出した
タイプ(リムドケース)を使用するため、装填過程が若干複雑になっています。
それでも、米調査機関に「リムドケースでなければ、世界最高の機関銃だ」とまで言わしめたのは、
PKMが「枯れた技術」の寄せ集めであるからに他なりません。


ドイツが半世紀かけて追い続けた反動利用方式も、
アメリカが意地になって採用を続けるダイレクト・インピンジメントも、
結局この「枯れた技術」に勝つことは出来ませんでした。


戦場が出す答えは、殺伐で、わかりやすいものです。
どんなに理論上優れていようが、それが正解とは限らない。

これが、軍用銃のおもしろいところですね。
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次回は、メイドインジャパンGPMG「62式機関銃」を取り上げる予定です。
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by clan-aaa | 2009-11-26 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(12)
現代機関銃の雄 MG3②
前回の続きです
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竹取物語に「火鼠の皮衣」というミラクルグッズが出てきますが、
あれ実は石綿布ではないかと言われているそうです。なるほど合致がいく話ですね。


さて、今回は前回に引き続き、MG3の構造的特徴を掘り下げていきたいと思います。
完璧にも思えるマシンガンの、意外な弱点とは―


■「プレス工法」の立役者

MG3の元となったマシンガン、MG42は、さまざまな運用が可能な汎用機関銃「GPMG」というカテゴリを確立させた
ソフト面ばかりが評価されますが、構造的特長に伴う製造過程面での進歩も注目すべき点です。


それまでのマシンガンは、「レシーバーとボルト」が結合することで閉鎖を成しえるものがほとんどで、
その為レシーバーは強固で重厚なつくりにせざるを得ず、重量もかさんでしまう欠点がありました。


しかし、MG42は一対のローラーがついた「ボルトとバレル」が直接かみ合うことで閉鎖を成しえる
ローラーロッキング・システムを備えることで、閉鎖・開鎖をボルトとバレルのみで完結させています。
これにより、それまで大変な手間がかかっていたレシーバーの製造に
「プレス工法」を用いることを可能とし、後のマシンガンやアサルトライフルの製造工法に
多大な影響を残すことになります。


■名機関銃の欠点

しかし、この閉鎖機構の特徴上、バレルは本体内部でポジティブに固定する必要があるので、
バレルは本体に内包される形となります。
その点は設計者も難儀したようで、レバー一つで素早くバレル交換が出来るようにしたものの、
熱せられたバレルを交換する際に持つ握把は省略されてしまいました。

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これによって、MG42/MG3は銃身交換という、迅速性を要求される行為において、
耐熱グローブを装着せねばならない欠点を生むことになります。


ちなみに、MG42を参考としたアメリカのGPMG「M60」でも、
この欠点が「しっかり」受け継がれているのは、実に面白いですね。
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MG3もM60も、かつてはアスベスト・グローブを使用していましたが、
現在では化学合成繊維製の耐熱グローブで代用しています。


それでも、旧来的な欠点を抱えるMG3が、設計完了から半世紀以上経った今でも
現用兵器として活躍しているのは、それだけ欠点を補って余りある魅力を
持っている歴史的名機関銃であるからに他なりません。
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次回は、GPMG東の横綱「PKM」を取り上げる予定です。
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by clan-aaa | 2009-11-21 00:00 | 「小銃少女」 | Comments(5)
現代機関銃の雄 MG3①
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MG42/MG3関連のコレクターは日本にも多く、関連アクセサリーやらをよく見かけますが、
銃身交換用グローブだけは一度も見たことがありません。

それは、ローラが焦っているのと、多分同じ理由によると思います。
というわけで、次回をお楽しみに^^


さて、今回はMG3の元となったMG42を中心に
MG3の歴史的背景を取り上げていきたいと思います。


■「汎用機関銃」の誕生

「マシンガン・ウォー」と呼ばれた第一次世界大戦では、機関銃同士の戦いが浸透していく過程で、
機関銃そのものが軽量・小型化していきました。
これは、機関銃と共に部隊が進撃していく際、それまでの重くて大きな機関銃では
その役目を果たすことが出来なかったからです。


そこで各国はそれまで使用していた重機関銃を強引に軽量・小型化させていましたが、
元が大きいだけに限界もあり、急場しのぎに他なりませんでした。


そうして第1次世界大戦の後、各国は「重機関銃」とは対極の「軽機関銃」の開発に勤しんでいましたが、
特にドイツは、その設計思想が他国の軽機関銃とは一歩も二歩も先んじていました。


それは、ベースとなる機関銃を支える架脚によって、機関銃そのものの性格を変える
システムでした。

例えば地上用三脚を取り付ければ、従来の陣地防衛用重機関銃として、
また対空架脚や複合マウントを使用すれば、対空機関銃として、
そして二脚を取り付ければ、攻撃型の軽機関銃として運用できる、
そうした万能型のシステムを考案したのです。


こうして誕生したのが、「GPMG =General Purpose Machine Gun」
日本語に訳すと「汎用機関銃」と呼ばれる、現代機関銃の礎をつくりあげた機関銃でした。


MG42は、世界最高の機関銃と称される、大変な名機でした。
そして、このMG42をどこよりも評価したのは、大戦期の敵国・連合軍であり、
実際にその威力を味わった国々は、その絶大な威力を評価し、
かつての敵国の主力機関銃でありながらも、MG42に近代改修を加えたものや、
その影響を受けた機関銃を採用していきました。

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本国ドイツでもその評価は高く、戦後に使用弾薬の改修を受けたものを
「MG3」として継続採用することになりました。
半世紀以上経った今でも、その構造をほとんど変えることなく、ドイツをはじめとした多くの国々で
現役採用しているのを見ると、MG42/MG3の完成度がいかに高かったのかが伺えると思います。


しかし、そんなMG3にも弱点が存在します。
果たして、その弱点とはいったい何なのか。


次回は、MG3の構造的特徴と、その長短について取り上げたいと思います。
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余談ですが、小銃少女をカラーで描いたのは今回が初めてになりますが、
カラーイラストを描いたのも1年ぶりくらいになります。自分でも驚きました。
漫画とイラストはまったく別の土俵でして、久々に描いてみるとすごくぎこちなかったです。
しかもすごく時間かかっちゃって、最近の更新が乱れまくってる一因になってます。
そんなわけで、更新が遅れた際は「あいつカラー描いてんな」とあざけてやって下さい。
決して怠惰のツケではありませんので、よろしくお願いします。

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by clan-aaa | 2009-11-15 23:00 | 「小銃少女」 | Comments(6)
Kriss Super V
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AVAで先日アップデートされたクリス・スーパーVがゲーム内で強すぎて萎えます。
みんなこぞって使っているものですから、どこの試験場だよって思わずつっこみたくなります。


クリスはボルトが完全後座した際に発生する衝撃を
射手方向へ向けるという銃器原理の基本を根本から覆す構造を
採用した事がその特徴として紹介される事が多いのですが、
特に日本では多くの文献で間違った認識がなされているように思います。


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クリスのボルト移動過程について、具体的には銃本体下部、射手寄り斜め下へ
ボルトアッセンブリーを後座させます。
これによりボルト最後座時の衝撃はほぼ直下へと向けられる事になります。

AVA解説然り、ここで勘違いしている文献が多く見受けられるのですが、
クリス最大のセールスポイント、フルオート時の良好な反動吸収構造は
上記による所が大きいのではありません。
そもそも、ボルト後座時の衝撃はリコイルエネルギーの一部に過ぎません。
フルオート時における銃の暴れ具合は、

①ボルトの質量
②弾薬の威力


そして

③銃身線の位置

これが極めて重要に関係してきます。


何故銃身線の位置が重要なのかと申しますと、
まず銃の反動は、装薬が発火した際に銃口とは逆方向に発生する
反作用エネルギーが非常に大きく関係しています。

これはボルトの後座方向をいくら変えようが、銃身が射手と直角に交わる限り、
そのベクトルを変える事の出来ない強烈なエネルギーです。

よって、銃身はグリップハンドとほぼ同直線上にある方が、反動をより効率的にコントロールする事が出来ます。
かつて、ソ連が銃身線を極限までグリップハンドと同直線上にもってきた
競技専用ピストルをオリンピック等で使用していましたが、現在では使用禁止となっています。
それほどまでに命中精度と銃身線の関係は重要なのです。

そこでクリスをよくよくご覧いただきたいのですが、クリスの銃身は
グリップハンドとほぼ同直線状にあるのがお分かり頂けるかと思います。
これは競技用ピストルに匹敵する理想的銃身位置です。


つまり、クリスが何故ボルト後座方向を下方向へ持ってきたのかというと、
銃身線を理想的位置に近づけた結果なのです。



そして次にボルトの質量ですが、これは小さければ小さいほど、
ボルト最後座時と復座時の衝撃と重心移動を抑える事が出来ます。
クリスは独自の緩衝装置によってボルトの質量を極めて抑える事に成功しています。
私の知る限り、これほど小さなボルト質量の45口径ブローバック(遅延式)SMGは
クリス以外に存在しないと思います。


但し、無闇に軽いボルトがベストだとは言い切れません。
AKやUZIといった傑作軍用銃は本体重量に対するボルトの質量の割合が大きく、
暴れやすい性格を持つ代わりに、異物混入時や環境の変化による
排莢・抽筒不良に対して大変強い特徴があります。


つまり、この極めて質量の小さなボルトによって反動の発生を抑えている点
そして、理想的位置にある銃身線、これら2点が
これまでのSMGとは一線を画している、すなわちクリスだけが持つ長所なのです。


そういった意味では45口径SMGという、アメリカが長年追い続けてきた理想的SMGの一つのゴール、
といえるかもしれません。

ただ、奇をてらった構造は注目された後に欠点が判明・淘汰される運命にあるので、
100年来の構造革命と持てはやされるVシステムが、今後生き残るとは到底思えません。
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by clan-aaa | 2009-11-11 21:49 | ミリタリー | Comments(6)
M2ブローニングにみる機関銃の精度
前回の続きです
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最近めっきりペンが進まず困ってます。
描きたい事は山ほどあるのにどーもいかんですね。


さて、今回は「機関銃の精度」のお話です。
記事を読む前に、機関銃のイメージをある程度ふくらませてご覧下さいね。


■弾まき銃

ゲームで特に多いのですが、「機関銃は当たらない」というのは通俗の傾向であるようです。
これは機関銃そのものの性能ではなく、その運用によって植えつけられてしまった
イメージでもあるので、致し方ない部分はあるのですが、機関銃というものは
意外にも優れた精度をもっているものです。


ではまず、銃の精度はどういった要素が絡んでくる問題なのでしょうか。
あげればキリが無いのですが、大まかにいえば


①銃身長と弾薬の組み合わせによる弾道低伸性能
②機関部全体の加工精度



この2点が大きく関係してきます。
「低伸性」というのは、「=どれだけ弾がまっすぐ進むかどうか」です。
極端に言えば、大型の弾薬をある程度の長さを持ち合わせた太い銃身で撃つ銃は
高い精度を持ち合わせているといえるでしょう。


さて、これを踏まえた上で、機関銃はどうかといえば、
機関銃はまずライフル弾、しかも特に大型のフルサイズ弾を使う場合が多く、
加えて銃身は「ヘビーバレル」「ブルバレル」(両者はほぼ同義)と呼ばれる、
太くて長い銃身を使用します。


機関銃本体の加工精度は、連続的に強い衝撃がかかっても破損しないよう
頑丈な設計と丈夫な素材で製造されている場合が多いので、もちろん例外はありますが、
ゲームや映画の描写とは反して、意外にも一定の精度が期待できるのです。


しかし、機関銃は大抵がフルオートマチックしか選択する事が出来ず、
また頑丈ではあるものの、堅実な作動性能を確保する為に機関部をあえて
ルーズな公差に設定している場合が多いので、いわゆる一般的な「狙撃任務」を
こなす事は難しいのが現状です。


しかし、そうした中で狙撃を兼任できる唯一の機関銃が存在します。
それが、M2ブローニングです。


■狙撃機関銃
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(↑ AN/PVS-4暗視照準器を搭載した狙撃仕様のM2ブローニング重機関銃)

ベトナム戦争中、ベトコンから「ロン・チャン」と恐れられた有名な米海兵隊狙撃手「カルロス・ハスコック」は
確認殺害数93人という記録を持つ有能なスナイパーでしたが、彼が狙撃に多く用いていたのが
M2ブローニングでした。


彼は、セミオート・モードにしたM2に光学照準器を搭載し、
1.2mもの長銃身から放たれる12.7×99mm弾の高い低伸性を生かし、
2300mからの長距離狙撃(殺害確認済みでの当時の世界記録)を成功させています。
これは、彼の腕もさることながら、M2が持つ高い精度による所が大きい偉功でありました。


M2は、そのボディーから一見すると大味に思えます。
しかしながら、最大クラスのライフル弾を約500発毎秒でぶちまける凄まじい制圧力と、
狙撃銃顔負けのトップクラスの精度を誇る、極端な二面性を備えた機関銃というのは、
M2ブローニング以外に見当たりません。


機関銃、なめたらいかんぜよ!
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次回は、MG3について取り上げる予定です。
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by clan-aaa | 2009-11-10 19:00 | 「小銃少女」 | Comments(5)
"代替無き老兵" M2ブローニング重機関銃
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何がすごいんだよっていうのは自分も気になります。


さて、1933年に米軍採用となって以来、約70年以上に渡り現用制式兵器の座につく
唯一の機関銃が存在します。


数ある兵器・銃器の中でも、とび抜けて長い期間現役を務め、
「BIG FIFTY」「Ma Deuce (=M2の意)」と渾名される、名実共に最強の機関銃、
「M2ブローニング重機関銃」が今回の主役です。


■天才銃器設計者の勲功

第1次世界大戦も終わりを告げようとしていた1917年、一人のアメリカ軍士官がフランスの銃器研究所で
一丁の試作機に衝撃を受け、母国にレポートを送ります。
「ホチキス重機(試作)」とよばれたその大型の機関銃は、これまでの機関銃とは桁違いの口径、
11ミリ試製弾を使用する強力な重機関銃でした。


その頃、既に従来の機関銃では続々と戦場に登場する航空機や戦車といった
新世代兵器に対抗できなくなっていました。
これは威力・射程といった根本的な要素、すなわち弾薬そのものに限界が生じていた事に
端を発する問題でありました。


そこで米軍兵器局は、既に実戦配備されていたブローニングM1917をベースに、
フランスの11ミリ試製弾をさらに強力にした「12.7ミリ弾(Cal.50)」を使用弾薬とした新しい機関銃の設計を
当時の気鋭銃器設計者ジョン・ブローニングに依頼します。


この後に完成したのが、M1918試作機関銃です。
しかし、当時のレポートによると、この試作機は振動や衝撃が強すぎて扱いにくいとの報告がなされて
いましたが、早急に強力な機関銃を欲していた米軍は、幾度かの改良を重ね、
1933年に同銃を改めて「U.S. Machine Gun, Cal.50, M2」として採用する事を決定します。

こうして、「M2ブローニング」の長い歴史はスタートしたのです。


■唯一にして至上の機関銃

こうして誕生したM2は、その後アメリカのみならず、日本を含め世界中で採用・生産される事になる
機関銃界のロングセラー商品となります。


構造的な特徴としては、

①完成された作動機構による安定した性能
②ベルト・フィーディング・ポジションのスイッチングが可能である事
③クローズド・ボルトである事



などが挙げられます。


②に関しては、車載する場合等にかなりの融通が利く点で有利であり、
大型であるが故の余裕のある構造によって成し得た特徴だと言えます。


③に関して、マシンガンは排熱の関係から、大抵は「オープンボルト」ポジションからの
撃発になるのですが、M2はクローズドボルトから撃発開始となります。
これもまた、大型であるが故の有利な熱効率性の恩恵であるのですが、
この特徴は、その他の機関銃には無い、M2だけのアビリティをも付与させました。


果たして、M2ブローニングが持つ「もう一つの顔」とは。

次回に続きます。
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by clan-aaa | 2009-11-05 12:00 | 「小銃少女」 | Comments(9)
西洋技術の結集 ―マキシム機関銃―
前回の続きです
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先週末は私用が立て込み、更新が大幅に遅れてしまいました。
申し訳ございません。。。


さて、機関銃を語る上で、まずもって外せない存在が2つありました。
ホチキスと、マキシムです。
特にマキシムは、ベルト給弾方式の自動装填式構造という、現代機関銃の主要素を完成させた点において、
大変な功績を持つ機関銃です。
今回は、そんな「マキシム機関銃」のお話です。


■機関銃の革命児

1885年、一人のアメリカ人銃器設計者が、それまでとは全く新しいタイプの機関銃をイギリスで誕生させます。
それが、マキシム機関銃でした。

マキシム機関銃は、

①コンパクトな本体に単純な構造を備えている点
②外力を必要とせず、全自動で装填・撃発・排莢を行う点
③弾薬帯を使い、半永続的に弾薬を供給する事が出来る点


以上3点の構造的特徴を備えていました。


現代機関銃にとってすれば、常識に過ぎないこれらの特徴は、
どれもマキシム機関銃がその確立に大きく貢献してきました。

さらに、マキシム機関銃は銃器としての構造的進歩よりも、その登場によって、
戦術・戦法そのものを大きく変化させ、戦争の性格を一変させた点が大きな功績だとされています。


第1次世界大戦は、別名「マシンガン・ウォー」と呼ばれていた事は大変有名ですが、
そのマシンガン・ウォーの由来を尋ねると、このマキシム機関銃にたどり着きます。

それまで、白兵戦によって肉薄一斉突撃を繰り返し、勝敗を決していた集団戦は、
兵士何百人分もの働きをこなすマシンガンの登場によって、その性格を一変させます。
戦場では、一人の英雄よりも、一台の機関銃が求められるようになり、
敵兵の殺傷にドラマが生まれる事は無く、無慈悲な機械化・効率化が進んでいきます。


その背景には、確実・正確に弾薬を消化する事の出来る堅牢な構造を備えた、マキシム機関銃の存在がありました。
欧州各国ではマキシム機関銃への厚い信頼が築かれ、特にイギリス、ドイツ、ロシアが
マキシム機関銃をコピー、またはライセンス生産する事に傾注していた事実は、
同銃がいかに優れていたのかを示す、何よりの証拠といえるでしょう。


■日本とマキシム機関銃

日本とマキシム機関銃の関係は意外にも深く、かの名機「零戦」の機首武装である「7.7mm機銃」は
マキシム機関銃を英国で改良した「ヴィッカース機関銃」をコピーした「毘式(びしき)機銃」でした。
ちなみに旧日本軍と、イギリス口径(.303=7.7mm)との深い関係は、ここからきています。


しかし、旧日本軍の歩兵武装の多くは、三八式機関銃や三年式重機のような「ホチキス系列機関銃」や、
九二式、九九式軽機関銃のような「ZB系列機関銃」がそのほとんどを占めています。


実は旧日本軍もマキシム機関銃を輸入し、運用に向けての研究を進めていたのですが、
ある障壁が問題となって、その採用が早い段階で見送られ、ホチキス系列・ZB系列へ目が向けられる事に
なったのです。


その理由は、日本がマキシム機関銃を上手くコピーする事が出来なかった点です。


今でこそ独自の先進技術で世界を席巻している日本ですが、かつては西洋の足元にも及ばぬ
工業力しかなく、他先進国製品のコピーでかろうじて技術吸収をしていた時代がありました。

実は、マキシム機関銃は、その製造に大変高度な技術力が要求される、
当時の最先端テクノロジーを結集させた最新の工業製品だったのです。
その当時の日本は、そうした西洋が生み出した最新の技術概念を理解する力に乏しく、
コピーをする事すら、ままならなかったのです。
具体的には、「マイクロクラスの公差」等々の概念なのですが、これを日本が実用レベルで達成するのは
終戦間際の話となります。

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銃というのは、自動車や飛行機と違って、かつての技術の方が高度で難解な場合が多々あります。
機関銃も同様に、時代を重ねるごとに、簡素な製造過程を経て、単純な構造になっていく事で、
確実かつ堅牢な性能を備えていくのです。

そういった意味では、機関銃という括りだけではなく、工業製品としても革命的な存在、
それが、マキシム機関銃でした。


以上でマキシム機関銃はおしまいです。
次回は、「M2ブローニング」を取り上げたいと思います。
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by clan-aaa | 2009-11-02 14:00 | 「小銃少女」 | Comments(9)