FN FNC
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まだ懲りずにAVAをやっています。

つい先日のアップデートでFNCが実装されたので、買ってみました。
シャープシューターバレルとウェイトグリップの組み合わせがベストなように思います。
それまで使っていたSAKOは下取りに。さよーならSAKO。


ところで、AVA公式サイトのFNC解説文にこういう一文があります。


―FN-FNCは性能的には決して悪くない銃器ではあったが、
登場した時期が1970年代半ばと遅かった

既に世界標準となりつつあったM16など5.56mmx45弾を使用する完成度の高いライフルが出回っており、
コスト面で不利なFNCは制式採用銃として市場に割り込む余地はもはや無く、
ベルギーの一部部隊で導入された他、スウェーデンやインドネシアなどの
中小国家で採用されただけに留まった。



この、「遅すぎたFNC」という一文を、特に日本の文献では本当によく目にします。

果たしてそうなのかというと、私はそう思っていません。


まず、主要各国の5.56x45mmNATO弾仕様主力小銃の採用時期を見てみますと、


アメリカ:M16
採用:1962年


フランス:FA-MAS
採用:1977年

オーストリア:Stg77
採用:1977年

イタリア:AR-70/80
採用:1980年

イギリス:L85
採用:1985年

日本:89式小銃
採用:1989年

スイス:SG550
採用:1990年

ドイツ:G36
採用:1996年



FNCの基礎設計が完了した1976年以前は青、以降は赤で分別しています。
もうお気づきかと思いますが、銃の誕生時期とその採用如何はそれほど直結した問題とは言えません。
AVA公式の説明文には「既にM16など5.56x45mm弾を使用する完成度の高いライフルが~」
とありますが、M16の性能が実用域に達するA2が登場したのは1982年です。

70年代の時点で完成された5.56x45mmNATO小銃というと、シュタイアーAUG程度しか思いつきません。

つまり、FNCは際立ってその登場が出遅れたわけではないのです。
そして、FNCの後に登場していながら大きくシェアを伸ばした5.56x45mmNATO小銃など、
いくらでもあるのです。



ところで、M16は採用国数が大変多い銃です。
しかしながらその内訳を見ると、どれもアメリカ臭い国ばかりです。


つまるところ、当時の(今も)銃の採用は性能如何はもとより、メーカーの、製造国の営業力が鍵となります。
特に冷戦期の中小国の主力小銃を紐解くと、政治的背景が如実に浮き彫りとなります。
この辺りの話は私が以前小銃少女の中でも描いてきました。

小銃少女 ”―14番目の少女” 第2話 「TRIAL」

そして、冷戦期の先進国主力小銃には、普遍堅実な性能よりも革新性、
また自国開発・生産している事が最も優先される要求事項でした。
その点、完成され尽くした技術による堅実な性能がセールスポイントだったFNCは、
単に営業力に欠け、流行りを見誤ったと見るのが妥当でしょう。


FNCのこうした設計思想が持てはやされるようになるのは、90年代に入ってからになります。
しかし時既に遅し、この頃には銃の構成主要素材が金属から樹脂へと移り変わってしまいました。


時代よりも流行に翻弄された銃、それがFNCだと言えるのではないでしょうか。
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# by clan-aaa | 2010-01-15 01:00 | ミリタリー | Comments(15)
銃のカルテ
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この回読んでないとオチないですね。


遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。
皆様にとって2010年がよりよき一年となる事を祈っております。


さて、新年一回目の今回は、
「ヒットパターンから見る銃」についてです。


■銃のカルテ
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ヒットパターンという言葉を聞くと、以前エアライフルを撃っていた頃を思い出します。
どのスポーツでも同じ事が言えると思うのですが、体調がすぐれない時、悩み事がある時というのは
面白いくらいに点数という明確な結果に反映されていました。


体調が良い時でも、射手自身のクセでヒットパターンが変わる場合があります。
上下方向の散開は呼吸、左右方向はサポートハンドや居銃に問題があるなど、
パターンを見るだけでその人の悪いクセがあらわれるわけです。


銃も時として体調を崩したり、悩みごとを抱えたりする事があります。
銃の医者(「銃医」とかいっちゃって^^)ともいえるアーマラー(銃の保守点検従事者)は、
そうした病理をヒットパターンやグルーピングから察知する場合があります。
そういった意味で、ターゲットペーパーというのは銃のカルテともいえる存在でしょう。


ヒットパターンをただ見るのではなく、弾痕そのものにも注視すべきです。
一番有名な病例としては、キーホール(鍵穴)があげられます。
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(キーホールのイメージ)

キーホールとは横転弾によって生じた鍵穴状の弾痕のことで、
近距離では殺傷能力が増すという見方もありますが、一般的には忌避される事象です。

横転弾はマズルの損傷、装薬量の失敗、ライフリングの摩耗、銃身内部の不要な油分などにより
発生する弾丸のスリップ事故です。
いずれも正常な状態では起こりえない問題なので、キーホールの発生は銃自身の異常を知らせるサインとなります。



というわけで、今回の診察はこの辺で。
お大事にー。
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# by clan-aaa | 2010-01-10 07:00 | 「小銃少女」 | Comments(2)
マシンガンのしくみ 「給弾機構」
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今年最後のサービスカットでございます。
今年というより新年のご挨拶、と言った方が良いのでしょうか。
ともかく今年は皆さんに大変お世話になった一年でした。


で、年の瀬にも関わらず、よくよく考えるとまだマシンガンの機構面については
全然取り上げていなかったので、今回は「マシンガンの給弾機構」について簡単にお話したいと思います。
今年最後の小銃少女に、どうかお付き合い下さい。


■ベルト・フィード・システム
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一般的なボックスマガジン給弾の銃器では、マガジン内のスプリングが弾を押し上げて給弾するのですが、
アモベルトを使用するマシンガンの場合、弾を本体へ押し上げてくれる動力が無いので、
本体自ら弾を引き入れる必要があります。

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その構造は、面白いことに一部例外を除きほぼ全てのマシンガンで共通しています。
ベルト・フィード・システムと呼ばれるこの給弾機構は、マシンガンの「ふた」であるフィードカバー裏に
全てが集約されているのです。


ではその構造はどうなっているのか。
今回は構造を非常に簡潔に表した図を用いて説明したいと思います。
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上の図は、マシンガン本体を上から透視したものです。
赤はボルト、濃い赤丸はボルト上面にある突起、
緑は給弾機構の要である「フィードカム」「フィードカムレバー」を便宜上一つに見立てたものです。
フィードカバー裏に取り付けられているこの緑のアームが今回の主役です。


この状態は、初弾を撃発後ボルトが後退し、次弾の用意が出来ていない状態です。
このままではボルトが前進しても弾が無いので、ボルト先輩は怒ってしまいます。
アモベルト達はすみやかに右へ一発分移動する必要があります。

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そうこうしている内にボルトは前進を開始します。
緑のフィードカムはボルトの前進と共に、ボルト上面に突き出した突起(濃い赤丸)に沿って
右へとワイパーのように動きます。
この時、フィードカム先端に付いた「ツメ」はアモベルトに引っかかっており、
カムが右へ動くと同時にアモベルトを右へ一発分移動させます。

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アモベルトが移動を完了すると同時に、ボルトは次弾を抜き取り、チャンバーへと押し込みます。
撃発後、ボルトは後退し、フィードカムも同時に左へと戻されますが、
この時ツメは引っ込むようになっているので、アモベルトが左へ戻されるような事はありません。
こうして、1枚目の状態に戻り、以降は同じ動作の繰り返しとなります。


いかがだったでしょうか。
かなり端折った説明となりましたが、大まかな流れはこの通りです。

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それでは、2010年が皆さんにとってよい一年になることを祈っております。
良いお年を。
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# by clan-aaa | 2009-12-31 22:00 | 「小銃少女」 | Comments(12)
天王寺きつね「うぽって」


以前お話した「最近気になっている事」です。


私がそもそもこのブログを思いついたきっかけは、当時擬人化というジャンルが最盛期に達していて、
「そういえば銃の擬人化は無いよな」と安易に思いついたのが発端だったと記憶しています。


丁度就活も山場を迎えていた頃にエントリーシートを考える片手間で始めたものなので、
「学園モノの銃器擬人化」というコンセプト自体はいつか誰かがやるだろうなとは思っていました。
ただ、ストーリーや世界観、ネタそのものはさておき、擬人化をやる以上キャラクターのデザインだけは
しっかりしたものにしようと思っていたので、その点だけはすごく自信があると自負しています。


で、冒頭の動画のお話なのですが、天王寺きつね氏という商業漫画家の方が16年来の新作という事で
銃器擬人化学園漫画「うぽって」を連載されているようです。


作者公式サイト「きつねのお宿」


……気になるので、実際に「うぽって」、読んでみました。
やはりプロの方だけあって、銃器の描画やコマ割りは流石だと思います。
続き物をいきなり途中から読んだのでストーリーはよく把握出来ませんでしたが、
とてもプロらしい漫画だと感心してしまいました。
「学園モノ」「銃器擬人化」という点で「小銃少女」とは全く同じコンセプトなのですが、
「うぽって」はこちらとはまた別の切り口から銃器を描いているように感じました。


ただ、FALの擬人化名が小銃少女と同じ「ファル姉」だったのが不思議でした。
FALってそんなに姉属性なんでしょうか、機会があれば是非とも作者の方に聞いてみたい所です。


そんなわけで、ヤングエースにて連載中の「うぽって」、皆さんも是非ご覧になってみて下さい。
比較対照だけは勘弁して下さいね^^
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# by clan-aaa | 2009-12-28 07:00 | その他 | Comments(24)
消音機関銃「AEK-999」
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一週間も空いちゃいました。ごめんなさい。
アメコミみたくしたかったのに浮世絵みたいになっちゃって一人で笑ってました。


さて、今回は「消音機関銃」のお話です。


■機関銃手の憂鬱

突然ですが、今回の記事は既にいくつかの間違いを犯しています。
まず、サイレンサーとサプレッサーの違いについて理解した上で、「消音」という言葉が
数ある小火器の中でも特に限られたモデルにしか使うことの出来ない言葉であることを理解せねばなりません。
正確には「抑音機関銃」とでも冠すべきなのでしょうが、ここでは通念上「消音」という言葉を
あえて使わせて頂きます。

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銃が誕生し、今日までにほとんど解決することが出来なかった問題の一つとして銃声が上げられます。
優れた兵士は敵を目視するよりも銃声に耳を立て、姿が見えずともその姿を暴き出してみせるものです。


第二次大戦中、米軍の分隊を構成する兵士の中で最も危険に晒されていたのが機銃手でした。
連続射撃によって敵に発見されやすいだけでなく、機銃手は大きな機関銃を振り回せる
大男が多かった為に、それだけ被弾する確率が高かったのです。


しかし、ライフル弾の連続射撃に耐えうるサプレッサーを開発する事は難しく、
そもそも消耗品であるがゆえにコストの面でも多くの課題が残されていました。

■恐るべきアナグマ
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そんな中、ロシアのPKMをベースに開発されたAEK-999、通称「BARSUK(バースク=アナグマの意)」は
機関銃にサプレッサーを取り入れようという意欲的な開発動機を持つ数少ない機関銃です。
マズルに装着された大型の専用サプレッサーと、サプレッサー装着による燃焼ガスの吹き戻しから
射手を守るためのハンドガードが特徴的です。

製造元はKMZ(クラスノゴルスク・メカニカル・プラント)です。
PKMの生産拠点であるコブロフメカニカルプラントとの関係性が見えないのですが、
ここは以前ご紹介したZENITレンズも作っている巨大軍需工業プラントのようなので
銃器部門があってもおかしくはないと思います。
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漫画では「プスプス…」と世俗的表現な擬音を用いましたが、実際は
大変豪華なフラッシュハイダーのような、なんちゃってサプレッサーだと捉えた方がいいでしょう。
400m以上離れると発砲音が特定しにくくなる抑音能力がうたわれていますが、
最も本領を発揮するのはマズルフラッシュをかき消す事の出来る夜間戦においてだと思います。


ちなみに、PKMの改良モデルとして有名な「ペチネッグ」と少し似ていますが、
こちらはまた別の開発動機をもったモデルであることを付け加えさせて頂きます。





で、本題は以上なのですが、
突然ながら、実は先日からずっと気になっている事があって、どーも落ち着きません。

このブログととっても密接に関わる話なので、近いうちにお話する事になると思います。
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# by clan-aaa | 2009-12-25 09:01 | 「小銃少女」 | Comments(3)