1コマ目にぐるぐる回るシーンを入れて、ライフリングの話につなげようと思ったのですが、 構成の都合上省略しました。 毎回マンガの内容に絡んだお題を取り上げているつもりなのですが、 もはや形骸化しておりますね、えへ^^ というわけで、今回はライフリングのお話です。 ■ライフルの語源 ライフリングの発明は、銃器史における最大の発明といっても過言ではありません。 その昔、まだ火縄や火打ち石をつかって撃発していた頃の銃は、 「スムース・ボア」と呼ばれる内部がツルツルなバレルを使用していた為、 弾丸にまったく回転がかかっておらず、射程距離はせいぜい100m程度でした。 その後、とある銃工が銃身内部のこびりカスを防ぐ目的で、銃身内部に溝を彫る工夫を施した所、 こびりカスの除去だけでなく、命中精度も上がるという事実が判明しました。 やがてこの溝は、「ライフル」と呼ばれるようになり、いつしか ライフルが彫られた銃そのものを「ライフル」、 そして溝は「ライフリング」と呼ばれるようになりました。 そのような経緯により、ライフリングが彫られていない頃の銃 (種子島火縄銃など)はライフルとはいいません。 こうして、銃身内部を走る溝「ライフリング」によって弾丸に回転をかけられるようになった銃は 射程距離と命中精度を大きく伸ばす事になります。 ■銃の指紋 最初はバレルに対して直線に一本だけ彫られていたライフリングは、 その後改良を重ね、斜めに何本も彫られるようになりました。 ライフリングは、「旋条」(しじょう)に彫られています。 ぐるぐると渦を巻いているようなイメージですが、バレル内面に対して斜めに彫られています。 銃弾は、このライフリングに食い込みながらバレルを進む事により回転がかけられます。 食い込むという事は、当然銃弾にはその痕(あと)が残ります。 そしてこの痕を、「ライフリング・マーク(旋条痕:しじょうこん)」と言います。 旋条痕は、「銃の指紋」ともいえるものであり、同じ種類の銃であっても 二つと同じ物が無い為、銃弾に残された旋条痕は、 特定の銃器を特定する手がかりとなります。 警察の鑑識課には、主要銃器の旋条痕を収録したデータベースがあり、 例え現場に銃や薬莢が残されていなくても、銃弾の旋条痕を鑑定すれば 使用された銃器を特定する事が出来るのです。 悪事は直ちに暴かれる、というわけです。
by clan-aaa
| 2009-07-07 12:35
| 「小銃少女」
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Comments(4)
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M1891/30
at 2009-07-07 19:19
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毎回楽しみにさせて頂いています、こんにちは。
今回はライフリングの話でしたが、まさか当初の目的が「カスを防ぐ」とは・・・・・ 次回も楽しみにしています、頑張って下さい。
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clan-aaa at 2009-07-07 22:06
コメントありがとうございます。
読者の方々からの拍手が一番の原動力です。。。 ライフリングと弾丸の自浄作用には限界があり、 鉛滓はやがて銃身の腐食を招きます。 こまめに掃除すればよいのですが、命を預ける銃すら手入れ出来ない がさつな兵士が多いのも事実です。 モシンナガンの場合、バレル内部にクロームメッキと呼ばれる 銃身命数の延長と汚れ防止を兼ねた表面処理を行っています。 意外にも日本の自動小銃にも同様の処理が施されていたりします。 両者の狙いは少し差異があるのですが、これはまたの機会にでも。 お話が過ぎましたね、すいません。。。 これからもよろしくお願いします^^
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yuki
at 2009-08-30 21:44
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「 「螺旋」(らせん)ではなく「旋条」(せんじょう)に 」の「旋条」ってなんですか?
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clan-aaa at 2009-09-01 04:18
yukiさん、コメントありがとうございます。
返信が遅くなり申し訳ありません。 螺旋階段をご覧になったことがあると思います。 円筒の中を階段がぐるぐると「うず」をまいている状態、 あれが螺旋です。 一方で、ご指摘の「旋条」というのは、 円筒の中を直線が傾斜した状態で走っている状態をさします。 両者の違いは、極端に言えばその傾斜角の差です。 円筒が伸びる方向に対してより直角に線が交われば、それは螺旋であり よりそっていれば旋条と言えます。 説明が下手でごめんなさい。。。 「rifling」で画像検索などをすれば、よりイメージがつかめると思います。 ご指摘ありがとうございました。 これからもよろしくお願いします。
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