前回の続きです
描きたい事は山ほどあるのにどーもいかんですね。 さて、今回は「機関銃の精度」のお話です。 記事を読む前に、機関銃のイメージをある程度ふくらませてご覧下さいね。 ■弾まき銃 ゲームで特に多いのですが、「機関銃は当たらない」というのは通俗の傾向であるようです。 これは機関銃そのものの性能ではなく、その運用によって植えつけられてしまった イメージでもあるので、致し方ない部分はあるのですが、機関銃というものは 意外にも優れた精度をもっているものです。 ではまず、銃の精度はどういった要素が絡んでくる問題なのでしょうか。 あげればキリが無いのですが、大まかにいえば ①銃身長と弾薬の組み合わせによる弾道低伸性能 ②機関部全体の加工精度 この2点が大きく関係してきます。 「低伸性」というのは、「=どれだけ弾がまっすぐ進むかどうか」です。 極端に言えば、大型の弾薬をある程度の長さを持ち合わせた太い銃身で撃つ銃は 高い精度を持ち合わせているといえるでしょう。 さて、これを踏まえた上で、機関銃はどうかといえば、 機関銃はまずライフル弾、しかも特に大型のフルサイズ弾を使う場合が多く、 加えて銃身は「ヘビーバレル」「ブルバレル」(両者はほぼ同義)と呼ばれる、 太くて長い銃身を使用します。 機関銃本体の加工精度は、連続的に強い衝撃がかかっても破損しないよう 頑丈な設計と丈夫な素材で製造されている場合が多いので、もちろん例外はありますが、 ゲームや映画の描写とは反して、意外にも一定の精度が期待できるのです。 しかし、機関銃は大抵がフルオートマチックしか選択する事が出来ず、 また頑丈ではあるものの、堅実な作動性能を確保する為に機関部をあえて ルーズな公差に設定している場合が多いので、いわゆる一般的な「狙撃任務」を こなす事は難しいのが現状です。 しかし、そうした中で狙撃を兼任できる唯一の機関銃が存在します。 それが、M2ブローニングです。 ■狙撃機関銃 ベトナム戦争中、ベトコンから「ロン・チャン」と恐れられた有名な米海兵隊狙撃手「カルロス・ハスコック」は 確認殺害数93人という記録を持つ有能なスナイパーでしたが、彼が狙撃に多く用いていたのが M2ブローニングでした。 彼は、セミオート・モードにしたM2に光学照準器を搭載し、 1.2mもの長銃身から放たれる12.7×99mm弾の高い低伸性を生かし、 2300mからの長距離狙撃(殺害確認済みでの当時の世界記録)を成功させています。 これは、彼の腕もさることながら、M2が持つ高い精度による所が大きい偉功でありました。 M2は、そのボディーから一見すると大味に思えます。 しかしながら、最大クラスのライフル弾を約500発毎秒でぶちまける凄まじい制圧力と、 狙撃銃顔負けのトップクラスの精度を誇る、極端な二面性を備えた機関銃というのは、 M2ブローニング以外に見当たりません。 機関銃、なめたらいかんぜよ! 次回は、MG3について取り上げる予定です。
by clan-aaa
| 2009-11-10 19:00
| 「小銃少女」
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Comments(5)
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標的うさぎ
at 2009-11-10 22:19
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れいこ先輩、ロングスカート似合い過ぎです。
かっこええ・・・・。 前線での運用となると、威力や精度だけでなく、機動力も求められるように思います。 兵士が少人数(狙撃ならせいぜい2、3名?)で持ち運べる最大のサイズと重さががM2くらいまで・・・・という事も影響しているのでしょうか? M2自身については、 大柄で余裕のあるボディが精度と信頼性を確保。 また、それからくる汎用性の高さがロングセラーに。 遠距離を狙うには、精度だけでなく、撃ち出す弾丸の絶対的な運動量が物をいってくる。 こんな感じの理解でいいでしょうか?
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くろと
at 2009-11-11 07:48
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首を折られても死なないとは・・・(笑
ゲーム等のMGはバランス的に命中精度を下げられてる半面、実物はそうでもないですよね ただ銃身を交換せずに連続使用してる場合は多少下がる可能性がありますが 英-アルゼンチン戦だったかでもイギリス軍が射程外からスコープ付きM2に狙撃されて損害を受けた記録が残ってますね 機銃恐ろしい…((;゚Д゚)ガクガクブルブル
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シシジ
at 2009-11-11 21:00
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まさに機関銃の番長!
近づけば連射で制圧、離れれば2km先から狙撃・・・パンツ見れないよorz
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M3短機関銃 グリースガン
at 2009-11-11 21:56
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clan-aaa at 2009-11-11 22:07
>標的うさぎさん
同クラスの重機関銃は多く存在しますが、その評価において右に出るものがいない理由は、 おっしゃるとおり、その構造的・性能的特徴が秀でている事、そして 機動力と銃器の評価は非常に密接な関係にあるためだと思います。 >くろとさん 銃身の連続使用は、おっしゃるように精度低下を招くと同時に、 薬莢切れといった排莢面での不具合の原因になると思います。 アルゼンチン紛争ではそうした被害が原因で、兵士の精神的困憊、 いわゆるPTSDが特に多いと聞きます。 50口径くらった隣の奴がいきなりはじき飛んだら、そりゃあもう 大変なトラウマになりますよね。。。 >シシジさん 機関銃界の番長、ずばりな渾名だと思います^^ これがホントのセーラー服と機関銃ですよねー
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